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ウチでもない、ソトでもない【中間領域①】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
寒露 初候 鴻雁来(こうがんきた)る
さようなら、体育の日 こんにちは、スポーツの日
1964(昭和39)年10月10日、東京オリンピック(第18回夏季オリンピック)の開会式が行われました。
それまで8月を中心に開催するこの多かったオリンピックを10月に開いたのは、真夏の東京の気温や湿度を考慮してのこと。
さらに閉会式は、秋雨前線が停滞する心配がなく、晴れる確率の高い日として10日を選んだというのが定説です。
実際の開会式も、抜けるような青空のもとで行われました。
この日を記念して1966(昭和41)年に制定したのが、「体育の日」です。
国民の祝日に関する法律が「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」日と定めています。
2000(平成12)年からは祝日法の改正により10月の第2月曜日となりました。運動会や体育祭など、スポーツに関わるさまざまな行事を行い、日本中が賑わいます。
こうして50年以上にわたり親しんできた「体育の日」とは、既にお別れとなってしまいました。2020年から、その名前は「スポーツの日」となっています。
日付が10月の第2月曜日であることに変わりはないものの、2020年だけは7月24日。56年ぶりの開催となる東京オリンピックに合わせた設置でした。
実は「スポーツの日」の名称は新たにつくられたものではありません。1961(昭和36)~1965(昭和40)年まで10月の第一土曜日があてられており、「体育の日」の創設とともにその名前が消えたのです。
「スポーツの日」から「体育の日」へ、そして再び「スポーツの日」へ。暦は時代に合わせて変わっていきますが、その瞬間に立ち会えた貴重な経験として、この1日を覚えておきたいものです。
・今日をたのしむ
【体育の日】
一流アスリートと触れ合えるスポーツイベントをはじめ、「出雲全日本大学選抜駅伝競走」などの競技大会も開かれます。
【運動会】
日本初の運動会は1874(明治7)年、海軍兵学校で行った「競闘遊戯」とされています。「運動会」という言葉は1883(明治16)年に東京大学で用いたのがはじまりです。
【銭湯の日】
10月10日(=1010)が「せんとう」と読めることから。スポーツのあとは、銭湯の大きなお風呂で汗を流すのもいいですね。
【ウチでもない、ソトでもない【中間領域①】】
前回は、「まだまだある、引戸の可能性と間仕切り無しには前提がある」というお話でした。
今回は、ウチでもない、ソトでもない【中間領域①】というお話です。
古くはカフェテラス、最近ではオープンカフェと呼ばれるようですが(…それも古いんですか?そうだとしたら、教えて下さいね。)
お店と道路の間にテラス席なるものを設ける喫茶店というか、カフェというか…がこのところ増えてきました。
パリなどの外国の真似ているのかもしれませんね。ですが、理由としては言わずもがな。ウチでもない、ソトでもないあの空間は、開放的な気分が高まって心地よいひとときが過ごせるからに他なりません。
屋外は必ずしも快適な場所とはいえません。夏は暑いし、冬は寒いし、雨が降ったり、風が吹いたり、道ゆく人の視線が気になったりすれば、すぐさま居心地の悪い場所に早変わりします…ビヤガーデンでビールを悦んで飲んでいる人の気がしれません。
だからといって、家の中に引き籠(こも)ってばかりでは、決して愉しくありません。そこで、屋外がもたらす負の要素を排除しながら、心地よさだけは十分に満喫できるように整える場所、それが、「中間領域」という空間なのです。
たとえば軒下(のきした)は、雨や日差しを遮(さえぎ)る軒の出が、半屋外空間独特の空気感で、そこにいる人びとを優しさで包み込んでくれます。ウチでもソトでもない曖昧(あいまい)さが、柔らかな緩衝(かんしょう)空間を設(しつら)えてくれるのです。
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【軒下+縁側という日本ならではの最強バディ】
【1間(1,820mm)あれば効果覿面(こうかてきめん)】
ウチとソトの中間に位置する伝統的な仕掛けといえば日本が世界に誇る『縁側』です。縁側は奥行き半間(はんげん)(910mm)でも十分機能しますが、その倍の1間(けん)(1,820)あれば、内外の境界が一層曖昧になって効果覿面です。
縁側の上部に同じ出幅寸法で軒や庇などを出せば、屋外なのに室内にいるような絶妙な快適空間が生み出されるのです。