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友だちいないと生きていけない

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「友情」はうつ病を予防し、死亡リスクを45%下げる

信じられないような科学的データを見つけました。
幸せな人と不幸せな人の最大の違いは、「人生でどれだけいいことが起きたか」ではなく、「人とどのくらい繋がれたか」にありそうです。
友達ゼロ=孤独は、健康に悪いことが分かっています。友情は最強のうつ病予防策であり、
うつ病による死亡リスクを45%下げるといわれます。

うつ病のために自殺をしてしまう方は少なくありません。
そして、うつ病による自殺は本人の希望ではなく、病気の症状によるものですから、なんとか食い止めたいものです。

うつ病よって脳のシナプス(神経細胞)における情報の伝わり方に異変が生じている、ということが報告されています。

何らかの原因で神経の細胞と細胞の間にあるセロトニンとノルアドレナリンの量が減って、情報がうまく伝わらないために、さまざまな良くない症状があらわれると考えられています(右図参照)。

「友情」がなければ誰も生きようとしない

私たちは「友情」が持つパワーに早く気づくべきです。
友情の持つ影響力は軽視されているものの、実は非常に深遠です。
古代ギリシア人は、友情を人類繁栄へのカギだとして哲学的に考察していました。
例えば、アリストテレスは『ニコマコス倫理学』の中で、「友情がなければ誰も生きようとはしない」と主張しています。

人類史上、最も友達づくりが難しい「孤独」の時代を生きている

かつて(1800年代以前)は、今の私たちが知る「孤独」という状態を意味する言葉は存在しなかったのです。
「lonely(孤独な)」という言葉は、人が単独でいる状態を意味するものであり、心の痛みを指すものではなかったのです。
その後産業化の波が訪れ、人々は工場での仕事のために1人で暮らすようになり、核家族化が進んで「孤独」という概念を世の中に生み出したのです。
私たちは仕事や便利さのために「孤独」を生み出さない地域社会を犠牲にするようになりました。
人の関りを必要としない社会は孤独を拡大しています。
2013年に行われた17万人を対象にした研究の分析から、友人のネットワークはここ35年間で縮小の一途をたどっていることがわかりました。
2000年代を生きた人は、1980年代前半を生きた人と比べ、友達の数が平均で4人少なくなりました。
別の分析では、友達がいないという人の数は、
1990年と比べて2021年は4倍に。
男性にとって状況はより深刻で、友達がいない男性の数は、1990年と比べて2021年は5倍に達しています。

「友情」が持つパワーは、科学が証明

心理学者は人間関係が、酸素や食べ物や水と同じように、人が生きていくために欠かせないものだと言います。
それがはぎ取られてしまったら、人は生きてはいけません。友情は心身の健康に多大な影響を与えています。

科学者は、うつ病に影響する106の要素のうち、最強のうつ病予防策となるのは、信頼できる友達を持つことだと発見しました。
「孤独でない」ということは、1日15本の喫煙をやめることに匹敵します。
幸せな人と不幸せな人の最大の違いは、人とのつながりの度合いだったのです。
友情は、人生に降りかかる災難でできてしまったトゲをやすりにかけるように削り取ってくれます。

友情が持つ癒やしの力は心の健康だけでなく体の健康にまで及びます。
フランス在住でサイエンス・ジャーナリストのマルタ・ザラスカ(写真)は、その著書『若返り:友情、楽天主義、思いやりで100歳まで生きる(GROWING YOUNG未邦訳)』の中で、長寿の要因としてよくあげられるもの、例えば食生活やエクササイズなどを調査しています。
そこで、長寿の最大の要因は「人とのつながり」であると結論づけました。
エクササイズ(運動)は死亡リスクを23~30%、食生活は最大24%とそれぞれ下げますが、大きな交流のネットワークを持っていると死亡リスクが45%も低減することが分かったのです。

「友情」によって、家族とは種類の違う関係が持てる

友情から得られる恩恵の多くは、家族や配偶者との親しい関係を通じて経験できるものです。
しかし、友情には友情ならではの利点があります。
友達は親とは違い、私たちに自分の期待や欲求をかなえて欲しいとは思っていません。
配偶者と違い、その人のすべてになったり欠けた部分を補う存在になったりという、ものすごい期待を背負わされることもありません。
友情における人間関係という「新しい扉」を開放すると、他の人間関係では得られないような喜びで満たされます。
食器を誰が洗うのかとか、お風呂掃除を誰がするのかを決める必要もなく、気兼ねなく、友情を喜び味わうための場にできます。
ある研究では、友達と一緒に過ごす方が、恋愛の相手や自分の子どもと過ごすよりも大きな幸せにつながることが分かりました。
その理由は、友達とはずっと楽しく過ごせる一方で、配偶者や子どもと一緒にする行動は、日常的なものになるためです。

友達が多い人の性格は「安定型」

友達をつくり維持する達人を、米国の心理学教授であるオムリ・ギラスさんは「スーパーフレンド」と呼びます。
人間関係のパターンは3つあり、スーパーフレンドのように友だちの多い人は「安定型」であると言います。

  • 1. 安定型 自分は愛される価値があり、他者からの信頼に値すると考えています。「疑わしきは罰せず」で人を受けとめ、オープンで、必要なことはおくせず人に頼み、他人を支援し、親密な関係を築くことができます。
  • 2. 不安型 自分は人に見捨てられると思い込んでいます。見捨てられないために、しがみつくような行動を取ったり、過剰に自己犠牲的に人の世話をしたり、すぐに親密な関係になったりします。
  • 3. 回避型 人から見捨てられることを恐れ、見捨てられないようしがみつく代わりに人と距離をおきます。親密な関係になると自分が傷つく可能性があるため、人を押しやり、もろさを見せず、人間関係を終わらせます。

私たちは、応援や理解して一緒に喜べる人を友達として選べます。
そのために人間関係を「安定型」として保つ努力が不可欠です。
友情を通じて、私たちは人生で最も肯定的で、安全で安心できる人間関係を自分で選ぶことができるのです。

心理学の分野に「自己拡張理論」というものがあります。
これは、人が精神的に満たされるには、アイデンティティを常に拡張する必要があるという理論です。
人は誰かと親しくなると、自己意識の中にその人物を取り込みます。
この現象を「自己への他者の包含」と呼びます。
例えば、友達が富士山に登ると、まるで自分が登ったかのように感じ、自分が登る心の準備もできたと感じます。
友達に共感を抱くのは「自己への他者の包含」のせいでもあります。

この「自己への他者の包含」の概念を提唱したアーサー・アーロン教授は、「私たちは、ああなりたい、という人と付き合います。自分の人となりを高める手段なのです」と言います。
友情に関する研究者リディア・デンワースも、次のように語っています。
「人は、競争や適者生存を常に考えていますが、本当のところ、最もフレンドリーな者が生き残ります。幸せに長生きするカギは、友情なのです」。

友達づくりの具体策~「友情」は自然と湧いてこない

大人になってから友達をつくるには、自分から働きかける必要があります。
一言で言えば、何度も繰り返し手を差し伸べるというプロセスです。
いいなと思った人に出会ったら、チャンスをとらえて相手の電話番号を聞く、ということです。
「友情は自然と湧いてくるものだ」と思い込むのは、友達づくりの妨げとなります。
その原因は、意図的に友達をつくろうとしなくなるからです。
ブランドン大学の心理学者らが調査したところ、「友達づくりは運による」と考えていた人は5年後、前より孤独になっていました。

一方で「友達づくりには努力が必要だ」と考えていた人は、そこまで孤独ではなかったのです。
努力が必要と考える人は、継続的にスポーツや社会的な活動に関わり、友達ができたのです。

「内的な統制の所在」を育てる

友達をつくるには自分から働きかける必要があるけど、誰に、どのように働きかけるかは自分で選べます。
そして重要なことは、働きかけをする際に「受け身の姿勢」や「無力感」を払拭するには、『内的な統制の所在』と呼ばれる心の在り方を育てることなのです。
これは、簡単にいうと「目標を達成するための責任は自分にあると思う」という意味です。
こういう心構えができている人を、内的統制型と呼びます。

例えばハイキングのグループに加わり、参加者に自己紹介を抵抗なく上手にできる人がいますね。
挨拶などのちょっとした行動は、人生にそこまで大きく影響しないと人は思います。
でも、たった1回の挨拶のための準備が、孤独でいるか、親友を見つけるかの違いをつくる可能性もあります。
「友達とは、自ら動いた時にできるものだ」と考えれば、内的な統制の所在を発達させることができます。
もっと距離を縮めようとすれば近づける、と信じるようになるはずです。

「私は人に好かれている」と思い込む

人は、人の心を読むのがとても下手なんです。
新しい人と出会うと、証拠もなしに「相手は私と仲良くなりたいなんて思わないだろうな」と考えていませんか?
こんな決めつけをするのは、「自分は退屈な人間だ」と思っているからです。
自分を愛していなければ、この世は残酷で非情だと感じてしまいます。

恋人や夫婦を対象にした調査で、自分のことをポジティブに感じられるほど、「自分は人から好かれている」と考える傾向が高まることがわかりました。
そして、自分には価値がないと感じるほど、人から好かれている度合いを低く見積もりがちになるようです。
この調査で明らかになったのは、相手が実際にどう見ているかというより、自分が自分をどう見ているかを反映しているということです。
「人からこう思われているだろう」という想像は、事実ではないことがわかります。
心の中の世界観によって、そこでの経験が異なるのです。

カナダのウォータールー大学のスティンソン教授は、次のように述べています。
「人は自分が受容されると予測すれば行動が温かくなり、その結果、人に受け入れられるようになる。拒絶されると予測すれば行動が冷たくなり、その結果、受け入れられなくなる」

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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