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「なんだか大変落ちつく『和室』」【和室CASE⓪】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
冬至 次候 糜角解つる(しかのつのおつる)
おせち支度
知り合いの実家は毎年本格的におせち料理をつくるそうです。「今日は数の子と黒豆!」「明日は伊達巻きを焼いて、お煮しめの野菜を切って…」といったお婆ちゃんの陣頭指揮のもと、みんなでワイワイと台所に立ちます。
おせちをつくると改めて気づくのが、どれも手間暇のかかるものばかりということだそうです。
歳神さまにお供えし、家族一緒に食べる一年で最初の食事を、先人がどれだけ大切に考えてきたかがわかります。
ライフスタイルや食の好みが変化しても、おせちのおめでたさは変わりません。それぞれのいわれや縁起を、大切に受け継いでいきたいものです。
そして、冬至の次候は糜角解つる(しかのつのおつる)です。
大鹿(おおじか)の角が抜けて、新たに生え変わるころ、という意味の季節なんですね。縻角(びかく)とは、大鹿の角のことです。
およそ十二月二十六日から三十日ないしは三十一日ごろまで。そして一月五日にお話しさせていただきますが、雪下麦を出だすに続き、季節はめぐります。
七十二候は古代中国で生まれ、鹿といっても彼の地の大鹿(ヘラジカともいわれていますが)なわけですが、牡鹿の、あんな大きな生命の象徴のような角が再生するというこの季節は、一つの年が終わり、新たな年がはじまろうとする時期にふさわしく思えますね。
「なんだか大変落ちつく『和室』」【和室CASE⓪】
和室といえば、壁や天井、床には自然の木材や土、砂、植物、海藻などが使われることが多いですよね。聚楽壁や畳など、賛否両論ありますが、年齢とともに、和室ならではの素材・工法も安らぎをもたらすものです。
【快適な和室づくりのポイント】
- 家(間取り)の奥につくるのが理想的ですが、リビングに繋げる場合でも和室の入り口を狭めたりすることで落ちつく部屋にすることも可能です。
- 和室ならではの心地よさを実感できるようにするために、照明などは明るければいいというものではありません。地窓や障子、床置きの照明器具などを活用し、ほどよい明るさを演出します。
- 自然素材を使用することで、自然のヒーリング効果の他に、虫や菌の抗菌、湿気を防ぐ防湿効果などが期待できる。シックハウスの心配も極めて少なくなります。
- 季節の風情を感じるとともに、花の種類や活け方で部屋のイメージが見違えるほどに変わりますので、床の間には、ぜひ季節の花を活けましょう。
- 置き床は、アレンジ次第で立派な和の空間になるので、洋室に和室のテイストを取り入れたいときに使うと便利です。
【注意点 アドバイス】
和室の良さは「なんだかとても落ちつく」こと。いろいろな演出方法で、家族にあった和室をつくりたいものです。
洋室と抱き合わせセットでつくられたような和室は、いずれその後物置とかしているお宅が多いようです。
また、部屋としての独立感を意識的につくり出すことで、どこよりも居心地の良い空間にすることもできるのです。
図
- 床の間は、季節の花を飾って季節感を出したり、趣のある掛け軸をかけたりして部屋に表情をつけることができる。
- 和室は物置になってしまいがち。そうならないためには、和室と洋室の一体型にしないような工夫が必要です。
- 和室の良さを生かすには、開放感や広さよりも、むしろ静かで落ちつく空間づくりを意識する。