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「床の間の設え次第で『和室』に表情をつける工夫がいっぱいです!」【和 室CASE 3】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
啓蟄(けいちつ)次候 桃始めて笑う(ももはじめてわらう)
サンドイッチの日
大人になった今でも、ピクニックが大好きなんです。やはり醍醐味は外で味わうお弁当ですね。
卵の黄色、トマトの赤、レタスの緑。おかずいらずで目にも鮮やかなサンドイッチは、以前15〜20年前の、子どもが小さなころの、我が家の春ピクニックの定番でした。
3(サン)に1(イッチ)が挟まれている今日は、サンドイッチの日。その名前は、食事の時間さえ惜しむほどトランプが好きだった、イギリスのサンドイッチ伯爵から。
トランプをしながら食べられるよう、パンにローストビーフを挟んだ食事をつくらせたことが由来とされているそうです。
日本では明治時代に食べるようになったそうです。イギリスからやってきたサンドイッチだけど、日本で生まれたものもあります。
食べごたえ抜群のカツサンドもそのひとつ。昭和初期に花街の芸者衆の口元を汚さないよう考案されたそうですよ。
そして…「桃始めて笑う」
二十四節気の啓蟄の七十二候のなかでも最も微笑ましいのがこの「桃始めて笑う」かもしれないですね。
啓蟄の次候が「桃始めて笑う」ですが、笑うは咲くという意味で、今日3月10日から14日頃の季節のことです。
調べてみますと、「咲」という字は「笑」という字の俗字でした。
つまり、「咲」も「笑」も同じ字だったということになります。
武井咲(えみ)という女優さんがいますが彼女の名前はなぜ(えみ)と読ませるのかと思ってましたが、こんな理由があったんですね₍ᐢ⸝⸝› ̫ ‹⸝⸝ᐢ₎
桃の蕾がほころび花が開く様子がいにしえの人には、まるで笑っているかのように見えたのでしょうか。
「床の間の設え次第で『和室』に表情をつける工夫がいっぱいです!」【和室CASE3】
床の間の室礼で、和室は変幻自在!
頻繁に家具を移動する人は、家に不満がある傾向が強いようです。
部屋をその時々の気分に合わせて模様替えするのもいいのですが、もっと手軽に気分転換を試みましょう。
有名なレストランは、大袈裟なイメージチェンジはしません。
落ち着いた雰囲気を壊さずに花を生け替えたり、季節に合わせた食器にしたり、それと同じような心遣いで、ワンポイントだけで部屋のイメージを変えて、家の中に新鮮な空気を取り入れることをお薦めします。
その役割を担うのが和室と床の間との関係となります。
洋室は部屋の役割が決まってますから、設計する際、図面に家具を書き込みます。
それに対して、和室はどうしても使用目的が曖昧なため、住む者が自分の目的に合わせて床の間を飾るなどして模様替えするわけです。
正式な和室は、床の間の他に「「付書院(つけしょいん)」と「床脇(とこわき)」があらかじめ設えられています。
床の間の飾り方の基本は、壁中央に掛け軸、左に花立(はなたて)を置いて花を生け、中央に香炉(こうろ)、右に燭台(しょくだい)を置きます。
これは、和室の原型とされる書院造が鎌倉時代の僧侶の書斎兼居間だったから。花台・香炉・燭台を三具足(みつぐそく)といいます。
一方、床の間に飾られる花やお菓子などは、平安時代の貴族が四季を祝うための風習が原型とされています。
床の間は、簡素なつくりの和室に入ったとき視線を受け止める場所であり、部屋のイメージを決める重要な部分です。
ここでインテリアデザインの基本でもある「物の配置」を練習できます。
例えば、花立を床の間の中央寄りに置き、盛大に花を飾れば「派手」を感じ、「祝い」を演出できますし、少し左にずらし、小さく花を生ければ「侘(わ)び」を感じ、四季の風情を感じさせます。
[正式な和室の室礼(しつらい)]
正式な和室は、家具と同様の機能を備えた室礼がなされます。ここに四季折々の品物を置いたり花を生けることで、家全体に新鮮な空気が取り入れられる、この空間をうまく利用すれば、急な来客でも礼を尽くすことができます。
① 天袋 ②違い棚 ③地袋 ④床柱 ⑤床の間 ⑥付書院 ⑦長押(なげし) ⑧床脇
床の間を洋室にも置いてみる
我が家に床の間がない場合でも、現状のままで床の間をつくりだすことも可能です。
一般的に「置き床(おきどこ)」と呼ばれる、持ち運び可能な床の間があるのはご存知ですか。
洋室の場合は椅子座なので、目線の位置を考慮して物入れを兼ねた高さのある置き床などを利用するのもいいと思います。
また、併せて掛け軸を飾るのもいいですが、ぎこちないと思えるのであれば、タペストリー(壁に掛けるタイプの装飾用織物)を下げてみるのもいいでしょう。
幅の広いものほどまとまり感が生まれます。
洋室にだって床の間はマッチします。部屋の風景を変えるだけでなく、来客は「丁重にもてなされている」と感じるはずです。フローリングの上に台になるものを設えて置き床としてもいいです。
床の間や置き床を設ける位置ですが、部屋に入ってすぐに目に留まる入り口の真正面が最も適当だと思います。
逆に出入り口付近は落ち着かないので避けるべきだと思います。また、南に置くのは家相でも凶ですし、あえて南からの風通しを遮る必要はないと思います。
和室の場合、部屋には「方向」があります。畳を見ればその部屋の方向がわかります。
床の間に対して畳の短辺が刺さるように置くのは、「床挿(とこざ)し」といって切腹を連想させるので忌み嫌われますので、避けたほうがよいでしょう。
床の間を飾ることにより部屋にも表情ができ、そのときどきの気持ち、家族への思いやりも表現できるかもしれません。
上手く利用することで、きっと新しい風を家に吹き込んでくれるに違いありません。
①床の間に向かって正座するとき、立ち上がるときの動作が、畳の目に沿うため滑らかに感じる。
②畳の目が邪魔をして立ちづらい
床挿し
日本間に招かれたら床の間を見にいくのが礼儀。そこで正座するときに、畳の目が床の間と平行だと膝が滑らないので動作が滑らかにならないという理由もあります。