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闇バイト強盗から家族を守る家 

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当面の防犯対策と、突破された時に備える「隠し部屋」の提案 

闇バイト強盗

「闇バイト」で集まった若者たちによる乱暴な強盗事件が多発しています。住人が在宅中に押し入り、監禁や激しい暴行の末に金品を奪っていきます。これまでの「空き巣」を前提としたリフォームから、「強盗」を念頭に置いた新しい防犯リフォームの提案が急務です。

 

これまでの、空き巣に狙われやすい家の特徴と対策 

これまでの「空き巣」に狙われやすい家の特徴と、その対策は以下のようなものでした。 

空き巣に狙われやすい住宅の特徴

           ↓

空き巣に有効な防犯対策

           

空き巣に有効な防犯対策

 

 

闇バイト強盗

これらはプロの盗人が下見をして、「空き巣」の対象を見極める際の対策です。
ところが、最近の強盗犯たちは首謀者たちにとっては捨て駒の素人で、プロなら入らないような家にも実行命令が出されて、無茶をして押し入ってくるのです。
従来の防犯対策は施しているが、それでも「強盗」に入られてしまった時の「生き残る可能性を高める」防犯リフォームを、お客さんに提案しましょう。 

 

強盗に入られてしまう危険性を前提とした5つの対策 

強力なドアストッパー

まずは、下記の対策をお客さんに提案しましょう。 

  • 1. 複数階ある戸建ての場合、寝室は2階以上の部屋にする
  • 2. 寝室のドアを鍵をつけるか、強力なドアストッパー(写真)で代用する
  • 3. 就寝中は柄の長い強力な光の懐中電灯、スマホを手元に置いておく
  • 4. 寝室にサイレン付きメガホンやホイッスルを用意しておく
  • 5. 家の中の照明は、必ず1カ所は点けておく(玄関や勝手口など)

 

 

 

2階に「セーフティ・ルーム」を設ける 

パニックルーム日本に比べて治安の良くない国では、就寝中の襲撃に備えて寝室を「セーフティ・ルーム」にすること、そして戸建てのような2階建ての建物の場合は階段の途中に鉄格子を設置して、2階全体をセーフティ・ルームにすることがあります。

セーフティ・ルームとはパニック・ルームとも呼ばれ、同名のアメリカ映画が2002年に公開されたことで一般的に知られることになりました。

犯罪の多い海外では今や一般家庭でも取り入れられている防犯対策です。 

鍵がついている部屋を「逃げ込み、立てこもるための部屋」として、設備を強化しておきます。
災害時のシェルターとしての役割も果たすため、富裕層の中には、そこに防弾、防火設備はもちろんのこと、内部にトイレや水道、食料庫などを設置する人も少なくありません。 

隠し部屋写真(左)は米国の例で、階段を跳ね上げて2階への侵入を防ぐ機構です。
階段の奥を「隠し部屋」にすることもできそうです。 

日本ではそこまでの対策は難しいかもしれませんが、ベッドルームなど扉がしっかりとした部屋をセーフティ・ルームに指定し、鍵を2重3重に設置しておくのでも十分に意味があります。
余裕があれば、外部からのこじ開けや破壊に耐えうる強化扉に変えてしまうことも有効です。
窓には防犯ガラスや防犯バーなどの対策をし、部屋には助けを呼ぶための外部との通信機器を用意しましょう。立てこもったときのために水などの飲み物も置いておくのもいいでしょう。
身の安全を確保できたなら、スマホで110番し、通話を繋ぎっぱなしにできるようバッテリーの用意も重要です。 

 

ちょっとワクワク♪…隠れ部屋(セーフティ・ルーム)を提案しよう 

階段下隠し部屋セーフティ・ルームを「隠し部屋」ととらえて、ちょっとワクワクする家づくりの提案メニューに加えませんか?
隠し部屋があると遊び心が生まれ、毎日の生活がより楽しいものになります。
ガレージの上部や階段下などの空間を活用できるようになるのもメリットです。
本棚がスライド式の出入り口になっていたり、壁を押すと隠し部屋につながっていたりするケースもあるでしょう。
特殊な開き方をする扉や、指紋認証などのセキュリティ機能を備えた扉を設置することもできます。
隠し部屋としておすすめの場所は、以下のとおりです。 

階段下 

階段下のスペースが余っている場合は、一見壁のような扉を取り付けてみてはいかがでしょうか。
天井高が低い部分もあるため、通常の個室としては活用できません。
広さに限りがあるため、シアタールームや音楽室にも不向きですが、収納庫やセーフティルームとして活用したり、子どもの遊び場・秘密基地にしたりできます。 

屋根裏・ロフト

屋根裏・ロフト 

 

屋根裏やロフトの部分を隠し部屋にするのもよいでしょう。
階段の手前に隠し扉を取り付ければ、奥に部屋があるとは気付かれにくいです。

 

ロフト部隠し部屋

収納型のはしごで上がる仕組みにするのも、おすすめの方法です。
吹き抜けのある平屋なら、吹き抜け周辺の天井が高くなった部分を活かして隠し部屋を作れます。
2階建てや3階建ての住宅でも、吹き抜け周辺などの天井が高くなった部分を活かして、隠し部屋として検討してみましょう。 

 

 

廊下の突き当り 

廊下の突き当たりに隠し扉を設置し、隠し部屋をつくるのもおすすめです。
廊下から見ればただの壁や本棚のため、居住者以外には部屋の存在を知られにくいでしょう(写真)。
また、廊下ならどの部屋からでも行きやすく、居住者全員にとって使いやすい空間となります。
廊下の幅だけならば収納量は限られますが、奥行きを長くすることで収納量を増やしたり、隣接する部屋の一部を組み込むことで面積を広げたりできます。 

地下室 隠し部屋

地下室 

地下室を隠し部屋としてつくる方法もあります。
降りる階段の位置を工夫すれば、外側からも内側からも気付かれにくいでしょう。
防音効果の高い壁や天井、ドアなどを選ぶと、シアタールームや音楽室としても活用できます。
また、周囲の部屋に音漏れがないため、不法侵入などのトラブル時のセーフティルームとしてもおすすめです。
地下に降りたあとも、各部屋の扉を隠すよう工夫すれば、より安心できるでしょう。 

注意!…隠し部屋を本当に隠すと違法です 

隠し部屋は、あくまで入り口がわかりにくい部屋のことであって、存在を隠してよい部屋ではありません。
床面積を申告せず、存在自体を隠してしまうと違法建築になるおそれがあるため注意してください。
ただし、小屋裏物置を隠し部屋にする場合に関しては、自治体ごとの条件を満たしていれば床面積に加えなくても違法にはなりません。 

隠し部屋の使い方 

隠し部屋は、使い方を決めずにつくると、空間が無駄になるだけでなく、ほかの部屋が狭くなることもあるかもしれません。
次に紹介する主な使い方を参考にして、隠し部屋の利用目的を明確にイメージしてみてください。 

セーフティ・ルーム 

セーフティルームセ ーフティ・ルームとして設計する隠し部屋は、出入り口をわかりにくくしましょう。
長時間隠れる必要がある可能性もあるため、トイレや水道を設置したり、食料や水を常備します。
屋内外に防犯カメラを設置し、セーフティ・ルームにモニターを取り付けておくと、セーフティ・ルームから屋内外のチェックが可能です。
なお、セーフティ・ルームは窓やドアなどの開口部が少なく、頑丈な構造で作られるため、地震対策に活用されることもあります。

収納・納戸隠し部屋 

収納庫 

納戸のように、使っていない季節家電や行事関連の食器・グッズなどを収納したり、ハンガーポールを取り付けてウォークインクローゼットとして利用したりできます。
収納庫として活用するならば、窓を取り付ける必要はありません。
空気や湿気がこもるのが気になる場合は、窓か換気扇を取り付けておくようにしましょう。

シアタールーム・音楽室 

大きなプロジェクターやソファーを準備すれば、映画や音楽鑑賞が趣味の方にも満足できる空間になるでしょう。
隠し部屋に防音設備を備えるなら、楽器を演奏する部屋としても活用できます。
地下につくるのであれば防音効果も高まり、時間に関係なくピアノやドラムなどの練習ができるでしょう。
また、隠し部屋をカラオケルームとして活用するのもおすすめです。 

強盗に遭遇した時の対処法と警報システム 

警報システム

不 審な音や気配を感じてセキュリティ・ルームに逃げ込めたらいいのですが、間に合わずに強盗と遭遇してしまった場合は、まずは家から飛び出して、大きな声で助けを呼ぶこと。
ホームセキュリティを契約している場合は、非常ボタンを押してすぐに外に飛び出す。
契約していない場合は、火災報知器みたいにボタンを押すと外で非常に大きな音が鳴るシステムの設置を勧めましょう。
ボタンを押すと、通りに向かって設置されている警報機が「ジリリーーン」とすさまじい音を鳴らし、ライトが激しくパッパッパッと点滅します。
ワイヤレスボタンをネックレスや腕時計のように、肌身離さず携帯することが重要です。
犯罪者は警報音をすごく嫌いますから、こういったセキュリティーシステムを備えておくのが対策のひとつです。
高齢夫婦やひとり暮らしの場合は、こういう対策が必要です。 

とっさの反応として、自分の家から犯人に出て行ってもらいたいという心理が働いて追い出そうとするのですが、自分で説得をしたり、闘おうとするのは非常に危険な行為です。
強盗犯に襲われたら、武器で撃退することよりも「逃げる」ことを優先に考えるべきです。
万が一捕らえられたら、命を守るためにも金のある場所やキャッシュカードの暗証番号などは伝えるべきです。 

生き残るための「反撃」を覚悟した場合に備えて 

犯人がパニックで狂暴になり、家族の生命の危機を感じて格闘を覚悟した場合、武器が必要になります。
ただし武器を手にする際は、相手を攻撃して打ち倒すことを目的とせず、家族や自分の安全を確保して家の外に逃げ出すために一時的に時間を稼ぐ「威嚇」のためのものだと認識することです。
よく、家の中の目立つ場所にバットや竹刀などの武器を置いておき、抑止力にしたり、いざというときの武器にしたりという対策を聞きますが、逆に犯人が手にしてしまったら、かえって危険が増してしまいます。
反撃できる気力や体力に自信が無かったら、自分が使いこなせない武器を置いておくよりは、強力な懐中電灯や周りの家に危険を知らせることのできる防犯ブザーやホイッスルを用意しておくほうが有効です。 

柄の長い懐中電灯

「柄の長い懐中電灯」の使い方 

枕元には、スマートフォン以外にも、柄の長く光の強力な懐中電灯があると安心です。
暗いところを照らす以外にも、決死の反撃を覚悟した場合に強い光を相手の顔に向けることで犯人の目潰しにしたり、柄を持って打撃することで武器にもなります。 

家の中にある「武器になる日用品」 

家の中で強盗と対峙した場合、身近にあるもので即席の武器として使うことができるものがあります。 

1. 傘…特に長い傘は距離を取って相手を突いたり、打撃を加えたりすることができる(ただし、すぐ壊れてしまい叩くのには向い   ていないので、突くに徹してください。)
2. ゴルフクラブや野球用バット…長さがあり、相手と距離を保ちながら打撃を与えられる
3. 鍋のフタ…防御用の盾として使い、相手の攻撃を防ぐのにも使用できる
4. 毛布や衣類などの布類…相手に被せるように投げることで視界を奪える
5. 消火器…噴射して視界を奪うだけでなく、カラーボールの役割や打撃に使用することも可能 

護身用に使う催涙スプレーはかなり接近しないと効果はなく、護身用のスタンガンも素人には扱えません。
まずは、割れにくい防犯ガラスに交換したり、ホームセキュリィの契約もしくは防犯ブザーの設置、万が一に備えたセキュリティ・ルームの設計など、凶悪化する強盗に備える新しい防犯リフォームをお客さんに提案しましょう。 

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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