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中途半端な下屋の納まりで不格好【外観 CASE 2】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
清明(せいめい)初候 玄鳥至る(つばめいたる)
城の日
4を「し」、6を「ろ」と読んで、今日は「城の日」です。
お城は古今東西、時の権力者の軍事拠点、もしくは住まいとしてつくられてきました。
私たち日本人には、お堀に囲まれ、堂々とした天守閣を備えた姿がおなじみですね。
文化遺産であり、歴史的シンボルである城郭や城跡をより多くの人に知ってもらおうと、「日本100名城」が選定されています。
・今日という日を愉しむなら…
【お城でお花見】
日本100名城のひとつ佐倉城跡(さくらしろあと)(千葉県)では、約50種類・1100本の桜が咲き誇ります。
高田城(新潟県)は「日本三大夜城」のひとつ。お城と桜並木をライトアップする「さくらロード」は圧巻の美しさです。
【春の全国交通安全運動】
交通事故撲滅のため、1948(昭和23)年から行なっています。期間は4月6~15日までの10日間ですが、2019年は統一地方選挙の影響で5月に実施されましたが、今年はコロナウイルスの??影響で、未定だそうです。
【新聞をヨム日】
4(ヨ)月6(ム)日の語呂合わせから。近年は朝刊を毎日読む人の割合が約50%に落ち込んでいるそう。
「新生活がはじまる春に、新聞を読みはじめませんか」と各新聞社や新聞販売店がPR活動を行います。
・今の季節をリアルに愉しむなら…
どうしてもこの時季桜に押されてしまいますが、【スミレ】が咲き誇る時季でもあるんです。桜のような壮大さはありませんが、可憐という言葉が似合う守ってあげたくなるような花だと思いませんか?!
スミレは3㎝ほどの小さな花をつける多年草です。その名前は花の形が大工道具である「墨入れ」に似ていることに由来するといわれています。自然のものから名前がつくことはよくありますが、逆は珍しいですよね。
中途半端な下屋の納まりで不格好【外観 CASE 2】
今回は、また若いママ友の二人連れが、相談にいらっしゃいました。今回はどんな相談事を持ってくるのでしょうか……愉しみです。
m(ママ1)下屋(げや)がある家は外観がカッコよくていいと思わない?!
F(ママ2)そうね~。総2階で四角い家も好きなんだけど、下屋を付けると外観に風格が出て素敵だよね。
m 北側接道でファザードが見せにくい家の場合は、特にそうしたいよね。南側接道だとバルコニーなどで比較的凹凸(おうとつ)を付けやすいんだけどね。
F この外観PLANはどう思う?どちらもその下屋が付いているのは付いてるよ。
m 外観PLAN Aも外観PLAN Bも建物の正面図だね。
F 確かに下屋があると変化があっていいよね。でも何か違和感があってピンとこないのはなんでだろうね。
m 分かった。大屋根と下屋の形状が違っているからじゃない。大屋根は切妻屋根で、下屋は寄棟になってるし、その他にも…。
F そうか、屋根の形が違っていると何かしっくりこないんだね。屋根形状は上下で合わせたほうがいいことだね。その他にも何かいいたそうじゃない?
m 素人目にはよく分からないんだけれど、AもBももうひと工夫できないかなぁ…。何か中途半端な印象を受けるんだけど。
×【外観 PLAN A】
建物正面
【外観A・B】①大屋根と下屋で形状が違う
③図のように下屋が窓の途中で中途半端にチョン切れるように終わっている。縦樋もきれいに納まらない。
屋根伏せ
☓【外観PLAN B】
建物正面
屋根伏せ ↑
【外観A・B】①大屋根と下屋で形状が違う
②外観形状が矩形(かねがた)に見えないためか、意匠的(いしょう)に悪い
④赤 隅棟がファザード面で納まっていないので、デザイン的にも雨仕舞い的にも悪い。
【解決策・処方箋】
【大屋根形状、窓位置、隅棟と下屋の納まり意匠を常に意識する】】
フラットルーフ(陸屋根…平らな屋根)や片流れなどの、デザイン的にはスタイリッシュな屋根を架けた四角い総2階の家が嫌というほど建っています。
やはり、コスト面だけを考えれば総2階の家が効率的といえば効率的です。ですが、外観に物足りなさや違和感を感じられる方も少なからずいらっしゃるでしょう。
南側接道の場合は2階をセットバックさせて、その上部をバルコニーとして活用することで、外観の変化になりますが、北側接道の建物は総2階になることが多く、トイレや洗面室など水廻り室の配置がどうしても多くなります。
それら水まわり空間には、どうしても小さい窓を使用することが多くなってしまい、その外観の見せ方に大変苦労することが多いのではないでしょうか?
外観PLAN Aは西側接道の南立面となっています。道路から南面も見渡せる配置にあります。ここで問題となるのは大きな開口部と下屋の納まりだといえます。
小さな窓であれば、さほどの違和感を感じられませんが、大きな窓の途中で屋根が切れているのは違和感があります。開口部を移動するか、下屋の架かる範囲を延長するかだと思います。
また一方で、それができない場合は、外観Aの解決策・処方箋のように下屋のみを延長して開口部とのバランスを整えてみることをお奨めいたします。
その下屋の延長は庇の替わりになり、縦樋の納まりも断然スッキリするという大きな利点もあります。
外観PLAN Bは北側接道の北立面となっています。北側接道の建物は、道路側に寄せて南側をあける配置が一般的ですが、道路幅員が狭く、道路斜線(1.25/1)の影響を受けてしまう場合は、今回のPLANの改善のように2階をセットバックさせて交わす必要があります。
このままでも十分に変化がある外観ではありますが、隅棟がファザード面で止まっているため、2階の外壁がそこそこきれいな形(矩形)に切り取られず、建物の奥行きが感じにくくなっています。
外観PLAN Bの解決策・処方箋では北側と西側のセットバックの幅を入れ替えることで、隅棟の納まりを西側にしてみました。これにより北側からの見た目がすっきりとして、より奥行きも感じさせる外観に変わりました。
下屋を付けるだけで外観に変化を出すことは可能ですが、それをより効果的にするためには、平面形状、窓の配置も関連して見直す必要があると思います。
○【外観 PLAN Aの解決策・処方箋】
南立面
【外観A・B】①大屋根と下屋の形状を合わせる。(大屋根の形状を優先する)
赤 窓を中心にシンメトリーになるように下屋を延長する
屋根伏せ ↑
×【外観PLAN B】
北立面
【外観PLAN A・B】
①大屋根と下屋の形状を合わせる。(大屋根の形状を優先する)
②外観形状が矩形(かねがた)にスッキリと納まり、意匠的(いしょう)に美しい。
④隅棟はファザード面を避けると2階外観が矩形に整い、奥行き感出て非常に美しく納まる。
屋根伏せ ↑