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[屋根 周りに合わせ、まわりに埋もれるくらいが丁度いいのです]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
12月22日 冬至(とうじ) 冬至 乃東生ず(なつかれくさしょうず)
冬至(とうじ)
令和3年の今日12月22日(水)は冬至の初日。一年でもっとも昼間が短く、夜が長い一日です。
正午の太陽の高さも一年でいちばん低くなることから、太陽の力がもっとも弱まる日とされてきました。
しかしそれは、裏を返せば明日から少しずつ日が長くなる=太陽の力が復活するということ。
そう考えた古(いにしえ)の人々は、冬至を意味深い特別な日として過ごしてきました。
柚子を浮かべた柚子湯に浸かる習慣も、その大切さのあらわれです。
端午の節句(たんごのせっく)の菖蒲(しょうぶ)湯のように、その芳香が邪気や穢(けがれ)を祓います。
力を取り戻した太陽が昇る明日の朝を、清らかな心身で迎えようというわけですね。
また、これから一段と厳しくなる冬の寒さを無事に乗り越えられるよう願いを込めて、「冬至に柚子湯に入ると風邪を引かない」という言い伝えが生まれたといわれています。
これから一段と厳しくなる冬の寒さを無事に乗り越えられるよう願いを込めて、「冬至に柚子湯に入ると風邪を引かない」という言い伝えが生まれたといわれています。
寒さに備えるといえば、カボチャも忘れてはいけません。こちらも冬至に食べれば、風邪を引かないとされています。
カボチャは夏から秋に収穫しますが、その保存性の高さはピカイチ。
野菜が不足する冬場に栄養価の高いカボチャを食べ、寒さを乗り切ろうという暮らしの知恵から生まれた風習です。
また、先ほど午前中にもお話しましたが、「ん」がつく食べ物を七種類食べると「運がつく」と縁起を担ぎ、ニンジンやギンナン、うどんなどを食べる地域もあるそうです。
また、もうひとつ、冬至には、古代中国で生まれた「一陽来復」という別名があります。
そして一陽来復は、「冬が去って春が来る」や「凶事がつづいたあとにようやく運が向いてくる」といった意味ももっています。
「まだ日も短いし、どんどん寒くなる」と考えるか、「明日から日脚が伸びて、そのたびに春も近づく」と考えるか。
やはり後者のほうが、日々健やかに過ごせるように思います。冬至はそんな暮らしのとらえ方すらも教えてくれている、といったら少し大袈裟でしょうか。
[屋根 周りに合わせ、まわりに埋もれるくらいが丁度いいのです]
人が自分の外見にこだわるように、お施主さんは不思議と屋根の形にこだわります。うちの屋根は片流れがいいとか、切妻がいいなとか考えているみたいです。
では、私が屋根について考えていることは、以前にもお話させていただきましたが、屋根を含めた家全体の意匠(デザイン??)というのはその家を建てる場というか土地柄やその地域の景観などを考えずには決められないと考えています。
「郷(ごう)に入っては郷に従え」といいますが、正にその境地なのかもしれません。
たとえば、海辺の漁師町で周りが全て瓦屋根なのに、自分の家だけコンクリートのフラットな陸屋根、箱のような家にしたとしたらどうでしょうか??
完全に周りから浮いてしまうような気がしませんか?あまり違和感があると周りから「村八分」にされかねませんよね(笑) ですから、このような状況ではやっぱり瓦屋根にしておくべきではないでしょうか。
欧米の人々は個性が強いので、一人ひとりはみな違うといいますが、欧米の世界遺産になるような街は、必ずといっていいほど、屋根の形も色も大抵統一されています。
ほかに屋根の形を決める要素としては、法律で決められた条件の中で、できるだけ格好好い意匠を生むのも私たち建築に携わる者たちの仕事なのだと思っています。
【こんなにある屋根の形!あなたのお好みの形はどれですか?】
①片流れ屋根
片側のみに勾配のついた段差もない一枚屋根。北側斜線の影響が顕著な場合に適しています。
②寄棟(よせむね)屋根
台形と三角形の4つの面が4方向から寄せられて屋根の形を形成されています。見た目にも美しく高級志向の場合に用いられることが多いようです。
③切妻(きりづま)屋根
2つの面でつくられる山形の形状をした屋根。一般的で、最もオードックスな屋根で見慣れた形です。雨漏り等にも最も強い形だともいわれています。
④入母屋(いりもや)屋根
昔の城に用いられた様式で、敷居を高くするための形ともいわれています。高級的な雰囲気を演出できます。
⑤方形(ほうぎょう)屋根
正方形の建物にかけられた屋根で、同じ形の屋根が4方向から寄せられています。寄棟や入母屋と同じく、こちらも高級志向の屋根として葺かれています。
⑥陸(りく)屋根
名前のとおり、平らな屋根。無落雪屋根として、梁補強をして、雪を載せたままにしておくことも可能となります。
⑦差し掛け屋根
1階にかけられた片流れの屋根。壁から始まるのが特徴で、一般的には下屋(げや)とも言われます。
⑧しころ屋根
寄せ棟屋根の上に、切妻屋根を載せたもの。入母屋屋根に限りなく近い形状です。通気用、換気用の窓の設(しつら)えがあります。
⑨半切妻屋根
切妻屋根の両端を斜めに切りとった形。あまり格好のいい屋根とはいえないような気がしますが、法律上の斜線制限があるときなどに使われます。
⑩のこぎり屋根
工場などでよく見られるタイプの屋根です。長い建物にまんべんなく光と風を取り入れられます。ハイサイドライトはここから住宅に取り入れられたものです。
⑪バタフライ屋根
北と南の2つの反対方向に、家を開きたい(大きく壁を設けたい)ときに適しています。
⑫越し屋根
屋根の上に囲炉裏の煙出し、いわゆる通気用の窓のついた煙突の役割をもたせた屋根をのせています。