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屋根材の選定は今後の改装予定で…(外部リフォーム1)
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
大暑(たいしょ)次候 土潤いて溽し暑し (つちうるおうてむしあつし)」
暑さと災厄を祓う風鈴
夏の盛りになると、知り合いの実家には真鍮製の風鈴が登場します。
なんとも柔らかく、透き通った音色を聞くと、暑さもスッと引いていくから不思議です。
それは誰しも同じようで、風鈴に耳を傾けながら夕涼みをたのしむお祭りは、多くの人で賑わいます。
風鈴のルーツは、仏堂や塔の軒下に吊り下げる鐘型の鈴である「風鐸(ふうたく)」だといわれています。
風鐸は魔を祓う道具で、その音が届く範囲は清浄であるとされました。
室町時代以降には、我が身に訪れる災いをはねのけるため、貴族たちが自宅に風鐸を吊すようになったとか。
江戸時代には「風鈴売り」が出現し、庶民にも夏の風物詩として親しまれるようになりました。
【屋根材の選び方】屋根材の選定は今後の改装予定で…(外部リフォーム1)
基本的な屋根材の種類と特徴
粘土瓦
特徴
粘土を成形し高温で焼いてつくる昔ながらの瓦。釉薬(ゆうやく、うわぐすり)を用いて色付けしたのが「陶器瓦」、いぶして光沢を出したものが「いぶし瓦」といいます。いぶし銀というのはこのいぶし瓦」の色をいいます。
メンテナンス
耐久性があり色落ちはないが、割れたり、ずれたりすることはあります。10年ごとに点検を行い、必要な部分を補修します。点検をし、それによる補修を施していけば、100年以上の耐久性も得られます。
目安としては、30~40年目で葺き替えも検討します。
化粧スレート
特徴
厚さ5mm前後の薄く、フラットな屋根材。セメントを基材として、以前はアスベストなどの各種繊維を混ぜ、強化していました。現在はアスベストの使用が禁止され、別の強化繊維を混入してつくられていますが、素材を厚くして強化してるようですが、強度は以前より落ちているようです。ですが、すべて工場塗装で、以前のものに比べて塗装のもちはよくなっているようです。
メンテナンス
5~6年ごとに点検を行い、10年ごとぐらいに塗り直しを検討したいところだが、20~30年色もちする製品もあります。割れが目立つようになってきたら、葺き替えなどを検討する。
ガルバリウム鋼板
特徴
鉄板の表面にアルミと亜鉛で溶融メッキ加工をしたもので、耐久性が抜群で錆びにくい。昔からのトタンの進化系です。その他、ステンレスの屋根材もある。
メンテナンス
ガルバリウム鋼板は、5~6年ごとにサビや色落ちを点検が理想的ではありますが、10年超でもまずは問題ないと思われます。ただし、錆びる前に塗り直すのが長持ちさせるポイントでもあります。10年間はメーカー保証が付いているのが通常。
個人的には、素材の軽さと遮熱性などを考がえると、現在のところもっとも屋根材として優れているのではないかと思います。
セメント瓦
特徴
セメントと砂を主原料に、加圧成型して乾燥させた瓦。セメントの量によってコンクリート瓦といわれる製品もあります。塗装製品で焼付しているわけではないので、経年劣化で色褪せる。現在ではほとんど使われなくなっています。
メンテナンス
5~6年ごとに点検を行い、10年目くらいで適切な塗料を塗り直すことで長もちさせる。20年目ぐらいを目安に葺き替えを検討します。造っているメーカーもほとんどなくなっているため、他の屋根材に葺き替えることが多くなっています。
【ガルバリウム鋼板、粘土瓦、化粧スレートが主な屋根材】
昔ながらの住宅では、和瓦が多く用いられています。これは粘土を焼いた「粘土瓦(焼き瓦)」で、耐久性の非常に高い材料です。塗り直しの必要もないので、屋根下地の劣化が進んだら、葺き替えを行うとよいでしょう。
ただし、屋根下地の劣化を防ぐには、下地に使う木材を大きくしたり、棟換気を施すことに他なりません。屋根下地材の劣化の最大の原因は発生した水蒸気を逃せないことです。
これはすべての屋根材に共通することなので、屋根の劣化を防ぐにはそれぞれの屋根材によって形状などは異なりますが、棟換気を施工することを建て替え、リフォームどちらに於いてもお薦めいたします。
ただし、瓦は大分軽量化されてきてるとはいえ、他の素材と比べて重量がありますので、どうしても屋根を軽くしたい場合には他の屋根材への葺き替えを検討します。
ちなみに、その際に、私のお薦めは、断然ガルバリウム鋼板です。
一方で、洋風の外観に合うことから多くの住宅で使われているのが「化粧スレート」です。焼き付けていない塗装製品なので、経年変化により色褪せるため、定期的に塗り替えを検討する必要があります。
その際に割れやズレなどの補修や交換もしておくことをお薦めします。もっとも経年変化に弱い素材なのです。アンテナ交換などで屋根に登った際にもっとも割れるてしまうのも「化粧スレート」の最大の弱点でもあります。
また、毛状がフラットで軽い材料なので、屋根材を残して行う「重ね葺き」にも向いています。
ですが、先ほどの水蒸気で蒸れて屋根下地が劣化してしまっている場合は、下地の補強からしなければ、重ね葺きをしても、長くは持ちません。
それどころか、重ね葺きした材料が下の材ごと引っ張って、余計劣化を促進させてしまう恐れもありますので、屋根材のリフォームは、十分に熟知した施工業者に依頼することが望ましいと思われます。
見た目の劣化が進んでしまった場合は、新しい製品で重ね葺きを行うのも一つの方法です。最新の製品ほど色が長持ちしたり、割れにくかったりと耐久性が高くなっているのも特徴です。
といいたいところですが、化粧スレートに関しては、メーカー側はそのような営業トークをしてきますが、経験上、アスベストの使用が禁止となってからは、間違いなく割れ易くなっていると思います。
そこで、重ね張りをする場合は、次にご紹介する、ガルバリウム鋼板を棟換気も施工して、使用するのが最も理想的だと思います。
その金属屋根材のガルバリウム鋼板ですが、最近では人気急上昇の素材です。性能の割には比較的安価で、シンプルモダンな雰囲気のある外観にうってつけの材料です。
金属製によるサビと、塗装製品による色あせのチェックが必要ですが、信頼性のあるメーカー製品であれば、焼付け塗装が施してありますので、色褪せもあまり気にならないほどになっています。
定期的な点検を行っていれば、早めに対応でき、こちらも粘土瓦、陶器瓦に匹敵するくらい、長く使えるものだと思います。
また、スレート以上に軽量なので、こちらも重ね葺きの材料として最適なのは言うまでもありません。
その他の屋根材としては、セメントを主原料としたセメント瓦があります。これらも塗装製品なので、特に色褪せますので、塗り替えの時期は早めにきます。
塗り替えに関しては、屋根材によって塗料や方法がかなり違ってきますので、リフォーム会社に相談してみることをお薦めします。その際、ここまでお伝えしたことを営業に打診して、信頼できる業者かどうかを確かめてみることは、言うまでもないと思います。