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【外断熱と内断熱はどちらが有利?】〈断熱・省エネ考②〉
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
大暑 初候 桐初めて花を結ぶ
雨休みの喜び
今朝は、梅雨がまるで明けたような晴れた空になりました。朝早くからすごい陽射しです。
といいたいところですが、2021年の今年は、太平洋の東からの台風が関東を直撃しそうです。
6月17日には、梅雨の別名を喜雨(きう)と書きましたが、ずっと日照り続きで困っていたところへ、ようやく降ってくれた待望の雨のことも、喜雨といいます。
農村では、喜雨が降った日には、田畑の仕事をお休みしてお祝いする習わしがあったそうです。
それを雨休みとも、喜雨休みとも呼びます。
雨が降ったらお休みというと、童謡の南の島のようですが、農家にとって切実な天の恵みの雨だからこそ、感謝して喜ぶ、幸せの休日です。
梅雨の雨続きで、雨の??ありがたさを忘れてしまうところですが、あらためて感謝しないといけないですね。
【外断熱と内断熱はどちらが有利?】〈断熱・省エネ考②〉
断熱性と気密性は、ある程度住宅ばかりでなく、すべての建築に求められる基本的な性能になりました。今までは住宅だけでしたが、公共や会社の建物だからといってエネルギーを垂れ流して良いわけはないですからね。
大抵の人は、家にいる時間よりも外にいる時間のほうが長いですよね。今までは…コロナ禍の今はリモートなる手段が使われるようになってしまい、これからどのような世の中に変わっていくのか予測がつかない時代になってしまいました。
外といっても、家とは別の建物のほうが長いということです。コロナ禍では、もっと家にいる時間がかなり長くなっているのではないでしょうか?
そこで、当然問題になってくるのが、エネルギー消費問題です。せっかく室内で暖めた空気や冷やした空気をまずは外へ逃さないようにしようということなのです。
それだけエネルギーの消費を断熱と機密で抑えられるということです。
断熱の方式は、構造体の外側で断熱する「外断熱」方式と、内側で断熱する「内断熱」(木造住宅の場合は充填断熱ともいいます)方式があります。
どちらにも利点(有利な点)、と欠点(不利な点)があり、どちらがいいかを判断したり、断定するのは困難なのです。
・内断熱の家の冬と夏
・外断熱の家の冬と夏
※外断熱はヒートブリッジという熱の逃げ道ができやすいため、施工精度が重要な鍵となります。
外断熱で躯体がRC造の場合、構造体に暑さ寒さの影響は受けにくいのですが、室内を暖冷房をしたときに、室内の空気も壁面などの建築本体も温めなければなりません。
その分エアコンのスイッチを入れても設定温度になるまでには相当な時間がかかってしまいます。ところが、逆にスイッチを切ってもしばらくは暖冷房の効果は持続することになります。
また一方の内断熱は室内の空気を暖めたり冷やしたりすればよいので、いわゆる暖冷房の立ち上がりが良いかわりに、エアコンのスイッチを切ると外断熱よりも早く、あっと言う間に外気温に近づいてしまいます。
とはいえ、木造の場合はそれほどの差はないようです。ですから木造戸建住宅の場合はどちらが良いかではなく、ちゃんと精密に施工されているかをチェックするほうが先決だといえるでしょう。
【遮熱・断熱シートの有効な設置場所】
夏の西日の暑さは、まさに灼熱地獄。考えるだけでも嫌なものです。その遮熱対策のひとつとして、簾以外に市販の遮熱・断熱シートを下げているお宅をよく見かけるようになりました。
正直言って、あまり体裁は良くありませんが、背に腹は代えられないというのが本音だと思います。
景観に配慮してなのか、シートをガラス戸の内側に下げているお宅もありますが、この場合、もっとも厳しい放射熱を内側に引き込んでしまうために、遮熱・断熱効果としては、明らかに外側に下げたほうがよいのです。
ただし、シートを外側に下げた場合、風で煽(あお)られ破損しやすいことも考えられますので、ゴムなどを利用して十分に結びつけておくことをお薦めいたします。
・遮熱断熱シートを窓の外に下げた場合
※熱を反射するので遮熱効果が大きい ただし、明かりと熱伝導の関係から隙間(空気層)を取る必要があります。
・遮熱断熱シートを窓の内側に下げた場合
※反射した放射熱が窓とシートの間にこもってしまいます。その熱は時間差で部屋内を熱します。
①遮熱・断熱シートはアルミ箔などの遮熱材を張ってあるため、熱を反射して、通しにくいのですが、光も遮断してしまいますので、窓の明かり取りの役目を果たせなくなってしまいます。
ガラス戸との間を適度に開けて遮熱・断熱シートを下げるようにします。(放射熱は直行性なので、シートを多少離したくらいでは、横から侵入するということはありません)断熱と採光のバランスを十分に考えて設置することをお薦めします。