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「和住」の快適なキッチンをつくる(+ひと部屋)
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
白露(はくろ)末候 玄鳥至る(つばめ去る)
秋の彼岸入り
亡くなった人を偲(しの)び、祖先のお墓参りなどを行うお彼岸は、春と秋、年に二度ある年中行事です。
それぞれ「春分の日」と「秋分の日」を中心に前後3日間、計7日間がお彼岸となります。
さくじつはお彼岸の始まりである「秋の彼岸入り」。秋のお彼岸は「秋彼岸」や「のちの彼岸」とも呼ばれます。
「彼岸」は、古代インドで用いていたサンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」の訳語で「悟りを開いた境地」といった意味合いです。つまり仏さまがいらっしゃる迷いのない世界、「あの世」です。
お彼岸は、迷いのない世界に渡ったご先祖さまや故人に想いを馳せるためにあります。お墓参りをしたり、仏壇をきれいにしたりしながら、日々の暮らしを報告しましょう。
・今日をたのしむ
【秋の彼岸入り】
今日から7日間が秋のお彼岸となります。「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざ通り、しばらく過ごしやすい気候がつづきます。
【バスの日】
1903(明治36)年の今日、日本初のバス会社が営業を始めました。
【動物愛護週間】
「動物の愛護と適正な飼養について関心と理解を深める」週間です。9月26日まで、人と動物の共生にまつわるさまざまなイベントやシンポジウムを開催します。
ー旬の食べものー
【松茸】
松茸がおいしい季節になりました。
キノコや魚が美味しくなるこの時期は、炭火と七輪が大活躍しますね。
キノコや魚が美味しくなるこの時期は、炭火と七輪が大活躍しますね。
ふわっと広がる香りを、すだちでギュッと引き立てて。
【松茸のみわけかた】
松茸は9月から10月にかけてが旬です。美味しい松茸は、傘がほんの少しだけ開いているもの。
軸はしっかりと硬く、表面に少し湿り気を感じるものを選びましょう。
「和住」の快適なキッチンをつくる(+ひと部屋)
前回ブログ→ これからは、オープンな「社交型」キッチン(使い易いキッチン⑧)
https://heiwadai.jp/airanndogatakittinn/
のお話をお伝えしました。(青字のタイトルタップするだけで前回記事に飛びます。なので、よかったらお読みください。
今回は新シリーズ(+ひと部屋)の1話目、【「和住」の快適なキッチンをつくる(+ひと部屋)】というお題でお伝えしたいと思います。
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まずは、前回のお浚(さら)いからお送りします。
誰もいないダイニングルームやリビングルームに向かって、1人寂しくお茶碗を洗う姿。話し相手はテレビのニュースキャスターだけ。これでは、折角の対面キッチンもむなしいだけになるのが関の山。
残酷なようですが、ひょっとしたら、これが数年後のあなたのキッチンかもしれません。
今は「対面式」がいいと思っても、10年後、20年後のことを考えたら、もっとオープンな「社交型」キッチンのほうがいいかもしれません。対面式カウンターよりも、もっと気楽で愉しいアイランド型オープンキッチンのほうが魅力的なのです。
家族の年齢や構成が変われば、生活スタイルも変わります。当然、キッチンの在り方も変わっていくでしょう。互いが忙しく、生活時間がバラバラになれば、家族のそれぞれが勝手に煮炊きして食べることもあります。
主婦は家族が好きな時間に、好きなものを食べられるように下ごしらえだけをしておけばいい。まるでスナックかカフェテリアのような感じです。今後主婦から主夫へ変わっていくことも考えられます。すでにそのようなお宅も現実に増えてきています。
話は戻りますが、アイランドオープンキッチンならば、家族がそろって食事をする場所にとどまらず、親しい友人や知人が集まってパーティーを開く場所にもなるでしょう。
……………………………………………………(お浚いここまで)
【「和住」の快適な空間を増築リフォームする】
下記イラストの家は、東京郊外の住宅地に建てられた、外観が純和風の、なかなか凝っていて洒落たつくりでした。
1階には、ダイニング・キッチンと、夫婦の居間兼寝室、そして応接間です。2階には子どもたちの部屋があります。天井の高さも十分な上、各部屋の広さも十分でした。ところが、たったひとつ、困った問題がありました。
そこそこ古い家にはよくある間取りなのですが、大きくなった息子さんや娘さんたちと一緒に団欒(だんらん)するスペースが、この家には見あたらなかったのです。
費用の目安 | 増築 3.5坪(内装とも) | 145万円 |
玄関、階段 | 50万円 | |
ハッチ式カウンター | 45万円 | |
寝室クローゼット | 65万円 | |
構造補強 | 35万円 | |
……………. | ||
340万円 |
子どもたちは成長するにつれて、ダイニング・キッチンで食事を済ませると、さっさと2階に上がり、自分の部屋に引きこもるようになってしまいました。仕方なく親たちは、応接間に炬燵(こたつ)を持ち込んで、2人きりでテレビを観るという何となく寂しいものとなっていました。しかも、本来が客用の応接間としてつくられた部屋ですから、どことなく落ち着かず、寛(くつろ)げませんでした。
また一方、両親の寝室は正八畳に広縁を備えた和室です。羨(うらや)ましいくらいの広さですが、冬場は冷え冷えとして安眠できないとのことでした。
「でも、主人は畳の部屋が何よりも大好きなの。だから、この和室を壊してリビングルームに改造するわけにもいかないし……。あまりお金を掛けないで、リビングルームをつくる手はないかしら」
お客さま(ご夫婦)の不満と希望を詳しくお聞きした私は、即座に、この応接間は必要ないなと感じました。
応接間に通すほど、あらたまった来客が頻繁にある家庭ではないので、普段はほとんど使わず開かずの間になっているようでした。リビングルームとしても使い難いし、子ども部屋にするにはちょっと立派過ぎてもったいない感じです。玄関脇というのも子ども部屋の位置としては好ましくありません。
そこで、応接間を夫婦の寝室に改造することにしました。それまで寝室だった和室は壁を1部取り払い、南側の広縁を4坪ほど広げて、リビングコーナーをつくることをお奨めしました。「増築」ならぬ「増スペース」です。
その結果、これまで閉め切っていることが多かった和室がぐっと開放的になったことは言うまでもありません。障子を開け放てばリビングやダイニングと一体になって、二十畳もある大空間に変身します。障子を閉め切れば客用の寝室としても使えるし、冬の寒い時季は炬燵を入れて家族団欒の居間にすることも可能となります。
ご主人の大好きな和室をほぼ元のまま残したうえで、フレキシブルな部屋に変身させることができて、まさに「和住」の快適な空間が誕生したことになります。