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吹抜けの位置付けと平屋の彩光方法[採光③]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
白露(はくろ) 草露白し(くさのつゆしろし)
待ってました!ひやおろし
9月に入ると、日本酒好きの呑兵衛(のんべえ)はソワソワする時季なんだそうです。この時季だけたのしめる「ひやおろし」が出回り始めるためです。
冬に仕込み、春先にできあがる新酒は、その味が落ちないよう火入れ(加熱処理)して貯蔵します。
ひんやりとした蔵でひと夏を過ごす間に熟成が進み、秋には角の取れたまろやかな飲み口になるそうです。旨味もたっぷりです。
こうして仕上がったお酒は通常、もう一度火入れを行い出荷しますが、ひやおろしは行いません。蔵出しの味や香りそのままを堪能できる、それがひやおろしの魅力です。
・今日をたのしむ
【ひやおろし】
蔵元によっては「秋あがり」の名前を冠して出荷することも。近年では重陽(ちょうよう)の節句を解禁日とする傾向があります。スッキリとした口当たりを味わうならば冷やして、コクをたのしむならばぬる燗(かん)でいただきます。
【カラーテレビ放送記念日】
1960(昭和35)年の今日、NHKをはじめとするテレビ各局でカラーテレビの本放送を開始しました。
【吹抜けのポジショニングと平屋の明かりの取り方[採光③]】
前回は、ハイサイドライト使用術[採光②]
https://heiwadai.jp/haisaidoraito/
をお伝えしました。(前回の青字のタイトルにリンクを張っておきましたので、良かったらタップしてお読みください。
今回は、「吹抜けの位置付けと平屋の彩光方法[採光③]」を、お伝えします。
それでは、よろしいでしょうか?!
【吹抜けと窓の密接な関係】
【吹抜けが窓に隣接しているケース】
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光の通り道ともなる吹抜けは、南面の窓に隣接して設けると、1階の奥まで光を直接的に採り込めます。
南側の隣家から2階の窓まで4.5m以上の距離があれば、冬至の光が奥まで届きます。採光という役割だけに着目すれば、吹抜けは直接窓に面して設けるか、通路程度の床を挟んで設けるのが次にベターといえます。
ただし吹抜けが(セオリーどおり)建物中央吹きに位置する場合は、吹抜けの周囲に腰壁が存在すると、そこで光がブロックされてしまい1階まで光が落ちにくくなります。
そんなときは腰壁を細いスチール製の手すりに変えるなど、光をスムーズに落とせるアイデアを考えてみることをお奨めします。
【吹抜けが建物中央付近にある場合】
【階段は迷わずスケルトンで決まりです】
上からの光を階段経由で落とすのであれば、蹴込み板のない「スケルトン階段」にするのが定石であり、お奨めします。
段板と段板の間をイラストのように光と風が通り抜けます。断面の間取りをよくするうえで、スケルトン階段は欠かせない存在といえます。
【平屋だって光がほしいのです!】…………………………………………………………………….
【平屋は真ん中が暗くなりがち】
採光計画が意外と等閑(なおざり)になるのが平屋です。平屋は敷地面積に余裕があってよく日があたる場所に建てられるケースが多いため、「日あたり良好の家」というイメージが何となくあります。
ですが、敷地に余裕がると建物の規模がある程度大きくなります。そうなってくると、中心部には光が届き難(にく)くなります。昼間でさえも暗い家になりがちなのです。
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【真ん中だけ2階建てにするか…】
そんな場合は、こんな工夫も、ひとつの手です。平屋の中央に小規模な2階部分を設け、そこから光を落とすのです。屋根面に直接トップライトを設けてもよかったのですが、前回のブログでお伝えした理由からハイサイドライトにするのがお奨めです。
真ん中が暗くなりがちな平屋の採光計画例といえるかもしれません。
【ハイサイドライト使用術】間接照明として扱う
【強い光は弱めて落とす】
外部からの光は、あればあるほどよいというものではありません。とくに光量が強い南面のハイサイドライトは、太陽放射などの直接光では眩(まふ)しすぎる上に、夏場は熱が家中に入り込んでしまいます。
そのような際の緩和法は、まずは庇で遮りそれでも入ってくる採り入れた光や熱を勾配天井に反射させ、いったん光量や熱量を弱めた上で下階に落とす方法が有効です。こうすると、家全体がフワッと明るい光で満たされ、天窓のような灼熱地獄も避けられますのでお奨めです。
採光例
【光は東西南北+上下方向で考える】