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急ぐより回遊動線の奨め!【回遊①】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
啓蟄 末侯 菜虫蝶と化す(なむしちょうとかす)
土から筆がひょっこり
私が小さな頃に遊びに行っていた田舎の家の近くには川が流れていました。河川敷には、春になるとツクシがたくさん姿をあらわします。
両手いっぱいに摘んでは得意顔でもち帰り、おひたしなどにしてもらいました。
土の筆(土筆)と書いて「ツクシ」と読ませることを知ったときは、妙に納得したものです。
たしかに、ツクシの頭は筆のよう。この頭から胞子を撒き散らすと、ツクシは枯れてしまいます。
植物学的には「胞子茎(ほうしけい)」といい、スギナがその数を増やすために生み出したもの。生命力がギッシリ詰まっていそうです。
・今日をたのしむ
【ツクシ料理】
河川敷や野原、田の畦道にツクシが顔を出す時季です。ツクシを食べるには、茎にあるハカマを取る下処理が必要。アクで指先が真っ黒になるので、ビニール手袋は必須です。
〈ツクシの卵とじ〉(2人前)
①ツクシ(200g)のハカマを取り除き、流水で何度も洗う。
②水から10分茹で、水に30分ほどさらす。
③水を切り、油で炒める。
④醤油、みりん、日本酒、砂糖(それぞれ大さじ1)を③に入れ、煮詰める。
⑤溶き卵(2個分)を入れ、蓋をして1~2分蒸したらできあがり。
【セント・パトリックス・デー】
アイルランドにキリスト教を伝えたセント・パトリックをたたえる祝日。アイルランドでは盛大にお祝いを行います。
日本では、原宿(東京都)をはじめ横浜市(神奈川県)や名古屋市(愛知県)などでパレードが。
参加者はアイルランドのシンボルカラーである緑色のアイテムを身につけるのが、お決まりです。
急ぐより回遊動線の奨め!【回遊①】
https://heiwadai.jp/kakurega-2/『たまり』の2回目(後半)のお話でした。
今回は、急ぐより回遊動線の奨め!【回遊①】1回目(初回)となります。
それでは、よろしいでしょうか?!
【いそぐより『回遊動線』】
ご存じの通り、一般的な欧米の住宅は、部屋の出入り口が開き戸(ドア)で、部屋と部屋の間を廊下で繋(つな)ぐ間取りが主流です。一方で、我が国の住まい、特に古い民家などを見ると、部屋と部屋とは引き戸(襖(ふすま)等で仕切り、廊下はなるべくつくらない間取りが一般的でした。
廊下がないので、引き戸を開けばAの部屋からBの部屋へ、Bの部屋からCの部屋へとぐるぐる動き回れます。実際、父の実家は栃木県鹿沼市という山の中なのですが、正にこのような間取りで、子どものころは、行くと必ず鬼ごっこのような遊びをしていました。
このような動線のことを、誰が名付けたのかは知りませんが「回遊性のある動線」といいます。ただし、回遊といっても遠回りはご法度です。むしろ、適切な位置に配置された回遊動線は、現代の住宅に近道という恩恵を与えてくれます。
たとえばキッチンと脱衣室(洗濯機)を結ぶ動線は家事の効率を格段に上げてくれる近道なのです。間仕切り壁の少ない間取りならば、1つの部屋に2つ以上の出入口を設けるだけで、回遊動線がめでたく開通します。
【よい回遊動線、わるい回遊動線】
〇【小さく回る】
たまりを確保しながら小さく回る動線が、良い回遊動線だと思ってください。回遊の利便性を保ちながら、収納スペースも確保できます。たまりがありますので室内は自然と落ち着いた雰囲気になります。
キッチン、水廻り、何と言っても、収納をできるだけコンパクトに回遊させるのが秘訣となります。
△ 【大きく回る】
フロア全体を大きく回る動線は、室内の広さを感じさせてはくれるものの、配置によっては家全体が落ち着かなくなる原因となります。
× 【飽きて、使われなくなる】
わざわざ通らなくてもいい出入口は、つくっても次第に使われなくなります。これでは回遊にした意味がありません。かと思えば、回遊動線をつくるためにわざわざ余計な壁を建てる人もいます。
こちらも失敗に終わるかもしれませんが、壁は部屋を狭くする壁は部屋を狭くする原因になるので、慎重に計画しないと『使われない回遊動線』同様、こちらも失敗に終わる恐れがあります。
【回遊は計画的でなければ…】
〇動き回れる利便性と収納力を両立
キッチンの奥をあえて行き止まりにしています。
×動線ばかりで収納が確保できない
コンロやシンクなどの位置取りも困難になります。
部屋と部屋を繋(つな)ぐ欧米流の間取りは、行き止まりになる各部屋がそのまま収納スペースとなり、プライバシーも確保されます。反対に、回遊動線を持つ間取りは、計画的に配置しないと収納もプライバシーも確保することが困難となってしまいます。
子どもたちが回遊動線を駆け回る姿は、微笑ましいものですが、一歩間違うと騒々しい家になるだけです。ご注意あれ。
(私たちが、子どものころ駆け回っていた、間取りの家はさぞ、騒々しかったのだろうと子どもたちを持つ身になって初めて分かりました…