BLOG
ブログ
キッチンはどこまで動かせるか(使い易いキッチン⑥)
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
夏至(げし)次候 菖蒲華さく(あやめはなさく)
山開き・海開き
今日から7月、山開き・海開きなど本格的なレジャーシーズンの到来です。各地では山開きを行い、登山客の無事を祈願します。
かつて神仏を祀(まつ)る霊峰に入山できるのは、山伏や修行僧だけでした。
しかし、神さまや仏さまにお参りしたいという庶民の願いから、江戸時代には夏の一定期間だけ「山を開く=登山を許す」ようになります。
やがて、「山開き」は、その始まりを告げる日や行事を意味する言葉となり、今に受け継がれています。これにならい、海水浴の解禁日は「海開き」に。
山神さま、海の神さまに安全を願いつつ、夏の予定を立てるにはもってこいの1日です。
・今日をたのしむ
【山開き】
今日07月1日は【山開き】が行われる日です。コロナ禍明けで大変賑わうことが予想されます。
北口本宮富士浅間神社(山梨県)では、富士山の山開き神事である開山祭りを斎行(さいこう)。
月山(がっさん)(山形県)、白山(石川・岐阜県)、石鎚山(愛媛県)など各地の霊峰でも山開きを行います。
【海開き】
地域によって違いはあるものの、本州の海水浴場の多くは今日、海開き。安全祈願祭を斎行します。
【文月(ふみづき)】
旧暦7月の異称は「文月」。七夕に笹飾りの短冊に詩歌を書き、文字の上達を願う風習が由来だとか。
【祇園祭(ぎおんまつり)】
夏から秋のお祭りシーズンの幕開けは、疫病を除け、邪気を祓う祇園祭。
八坂神社(京都)の祇園祭は今日から7月31日、櫛田(くしだ)神社(福岡県)の博多祇園山笠は今日から7月15日まで。
ー夏至ー末候
【半夏生ず】
今日は半夏生の日です。
農家ではこの日までに田植えを終わらせておく目安として知られています。
讃岐では農作業の手伝いをしてくれた人たちにうどんをふるまい労をねぎらいます。
【半夏】
半夏はカラスビシャクという多年草の植物です。
葉の片側が化粧をほどこしたように白くなっていくのが特徴。
この日に降る雨は「半夏雨」といい、大雨になることが多いそうです。
【キッチンはどこまで動かせるか(使い易いキッチン⑥)】
R31 10己 【LDKを使い易くする仕掛け(使い易いキッチン⑤)】126(13)~131(3)
前回ブログ→ LDKを使い易くする仕掛け(使い易いキッチン⑤)
のお話をお伝えしました。(青字のタイトルタップするだけで前回記事に飛びます。なので、よかったらお読みください。
今回は(使い易いキッチン)の6話目、【キッチンはどこまで動かせるか(使い易いキッチン⑥)】というお題でお伝えしたいと思います。
………………………………………………………………………
まずは、前回のお浚(さら)いを兼ねて(そのⅣから)お送りします。
【LDKを使い易くする仕掛け】
前回、前々回で私は、居間と食堂と台所がひとつになったLDKには無理があるとお伝えしました。というのは、「料理をつくる」そして「食べる」という、キッチンの強い存在主張に押されて、ダイニングルームやリビングルームまでがキッチンの雰囲気に巻き込まれてしまうというが理由です。
落ち着かないのはキッチンも同様です。キッチンは「調理場」。調理したものを「食べる場」であるダイニングルームはまだいいにしても、「ゆったり寛(くつろ)ぐ空間」であるリビングルームまで一緒になっていては、やり難くて仕方ありません。
来客中、リビングルームからキッチンが丸見えというのも、奥さま方には大きな不満の種になることでしょう。
まず、キッチンを区画することを考えてみましょう。ハッチのような飾り棚で仕切るだけでもいいのです。思い切ってリフォームすることを考えているのであれば、対面式キッチンのように、キッチンセットそのものでリビングダイニングと区切ってしまうのもお奨めです。
下記※イラストは、私の考えで、つくってみた可動式収納ハッチです。必要に応じて移動したり、開閉することが可能です。絶対に倒れないように、一方の端をリビングスペースとキッチンの間の壁に蝶番で緊結して設置します。
収納ハッチの下には、床に傷つけない硬質ゴム製のコロガ付いているので、女性の力でも簡単に動かすことが可能です。ドアのように閉じたり開いたりできるわけです。
※イラスト③
この仕掛けの注目点は、表面にも裏面にも折り畳み式の食卓テーブルが組み込まれていることです。来客があってキッチンを隠したいときは、ハッチを開いてリビング側のテーブルを出します。
これで、キッチンの内部は見えません。家族だけでのんびり食事をするときは、ハッチを壁に押し付けて、キッチン側のテーブルを出せばいいのです。まるで、ふたつのキッチンというか、2軒の家をもった気分ではないでしょうか。
一方、キッチンとダイニングルームを一緒に、コンパクトなダイニング・キッチンにする方法もあります。リビングルームとの境に飾り棚や可動間仕切りを設置して一線を画すのですが、これだけのことで、それぞれのスペースにぐっとメリハリがつくのです。
ダイニング・キッチンは、食事をつくり、食べる場所です。リビングルームは、家族が集い、寛ぐ場所なのです。雑然とした曖昧な空間だったLDKが、本来の目的と機能を取り戻すのです。
……………………………………………………(お浚いここまで)
【マンション(分譲)のキッチンはどこまで動かせるか?!】
キッチンをはじめとする水廻りのリフォームには、費用が掛かるのではないか、制約が多いのではないかと心配する方が少なくありません。ところが、一戸建ての場合は、水廻りの改造で問題になることはほとんどありません。
制約があるのはマンションのキッチンに他なりません。
マンションの場合は、3LDKを2LDKに改造するといった間取りの変更は案外簡単ですが、排水や排気の位置を移動するのは極めて難しいとされています。排水管や排気管が建物全体で共通になっているからです。
ただし、キッチンの排水管はトイレと比べて比較的、細いため、ある程度ではありますが、融通がききます。
たとえばシンクを移動したい場合、新しいシンクから新しい排水管を延長して、従来のシンクの排水口とつなぐわけですが、延ばした部分の排水勾配(傾き)さえ確保できれば問題ありません。
排水勾配とは何かと思われるかもしれませんが、水が澱(よど)んだり、逆流しないために必要な傾斜のことです。流しの排水勾配には、50分の1以上の勾配が必要です。要するに50cm流れる間に1cm以上低くしなければならないということです。
家庭のキッチンであれば、新しいシンクの床を10cmほど上げれば可能となります。下の図は、それまで壁際にあったキッチンセットをリビング側に向けたカウンター式に改造した例です。
カウンターの下なら、中で配管を10cm上げればよいので床を上げる工事必要はありません。床下を跨(また)ぐ場合は、床を10cm上げ、段差に躓(つまず)かないように、ダイニングキッチンの床もいっしょに上げます。
ただし、ガスレンジは移動せず、元の位置に残すことにしました。ダクトを延長し部屋の真ん中に新しい換気扇を設けると、内部に湯気や油がこびりついて汚れが溜まり、ゴキブリなどの巣になる恐れがあるためです。ガスレンジが少しの移動なら、上に大きなフードを付けることで排気処理設備は大丈夫です。(ただし油汚れの掃除は広くなる分だけ手間になります)