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【猫との暮らしと床の間の設えに拘(こだわ)る[細部をとことん極める⑥]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
立冬(りっとう)次候 【地始めて凍る】
ポカポカ小春日和(こはるびより)
木枯らしが吹いた翌日はうって変わって穏やかな陽気に包まれることが多いとされています。
まるで春が来たのかと勘違いするような、のどかな天気。それが、「小春日和」です。
「小春」は旧暦10月の異称で、「小春日和」は新暦の11~12月上旬にかけて使います。
寒さに身構えるなか訪れる不意の陽気にほっとするのは、誰もが一緒なのでしょう。
各国に秋の好天をあらわす言葉があります。アメリカは「インディアンサマー」、ドイツは「老婦人の夏」、ロシアは「女の夏」。
夏が登場するのは、緯度が高く、日本ほど春が温暖ではないためといわれているんですね。
立冬 次侯 地はじめて凍る(ちはじめてこおる)
北国では真っ白な空の下で葉を落とした枝の間を初雪が舞い降りています。
冬の冷気が大地にしみ渡り、朝夕の冷え込みがぐっと増してきました。
土の上には霜柱が立ち、窓には露が結びます。
これから日1日、寒気とともに、葉もの野菜の甘みもぐんと増してゆきます。
・今日をたのしむ
二十四節気の21番目の季節、立冬(りっとう)の次候は、
【地始めて凍る(ちはじめてこおる)】ですが
「夜の帳(とばり)とともに降りてくる冷気で、霜柱や氷ができはじめるころ」といった意味合いです。
朝のピンと張り詰めた空気に清々しい気持ちをもらえる時季です。
【茨城県民の日】
1871(明治4)年の今日、廃藩置県後の府県統廃合で「茨城県」の名称が初めて使われたことを記念して制定されました。
【うるしの日】
漆業関係者が漆業の発展を祈願する日。日付は、漆の製法と漆塗りの技法が虚空蔵菩薩から伝授されたという伝説の日にちなみます。
【いいひざの日】
11(いい)月13(ひざ)日の語呂合わせ。
・季節をたのしむ
【狂い咲き】
数日つづいた温暖な気候に草木の季節感が狂い、開花時期ではないのに花が咲くこと。「返り咲き」とも。2018(平成30)年の晩秋にはかくちで桜が開花し、ニュースとなりました。
【猫との暮らしと床の間の設えに拘(こだわ)る[細部をとことん極める⑥]
前回は【上りたくなる階段とその薄中壁に拘(こだわ)る[細部をとことん極める③]】
https://heiwadai.jp/agariyasuikaidann/というタイトルの内容でお伝えしました。
今回はシリーズ[細部をとことん極める⑥]『猫との暮らしと床の間の設えに拘(こだわ)る】をお伝えしたいと思います。(前回のタイトルにリンクが張ってあります。記事に飛びますので、よかったら青字をタップしてみて下さい。
①梁の上は猫たちの大好きな遊び場になります。
②猫のためにつくった猫専用の階段。回遊性動線を考え、猫たちの行き止まりをつくらないことが最大のポイントなのです。
【猫との暮らしを追求する】
最近では、室内でペットを飼っている家が目に見えて多くなっているようです。特に猫の場合は、家の中で自分が気に入ったルートというか気に入ったルートしか散歩しない習性があるため、壁に階段をつくったり、梁の上を歩けるようにすると、猫たちは持ち前の抜群の運動神経を生かして家の中を立体的な三次元空間を動き回ることができます。
注意する点は、なんといっても猫の「行き止まり」をつくらないことに他なりません。また、ペットフードなどの収納場所や、トイレの場所は設計段階のうちに決めて、臭気対策として換気扇を設置するなどの工夫も必要です。
その際、気を付けてほしいのですが、ファンの高さを100㎝前後に設けることをお奨めします。あまり高いとせっかく設置した換気扇が有効に機能しないからです。もちろん保護カバーを付けて、ファンに巻き込まれないように気を付けることも必要です。、
【床の間の設(しつら)えに拘(こだわ)る】
床の間は、最近でも、かえって多くのモダン和風住宅などに取り入れられています。床の間があると家の中が華やぎ、季節感を醸(かも)し出します。また、1年を通し日本の行事を子どもに教え、ともに愉しむことをお奨めします。(子どものうちは、なかなか日本の行事を行う意味を分かってもらえないかもしれませんが、大人になってそのときの有難さを感じてくれるものだと私は思っています。)
最近では、古くからある伝統的なスタイルに拘(こだわ)らず、それよりはシンプルな形で構成されていることが多いようです。場合によっては、デザイン的に床柱(とこばしら)を立てないケースも、ままありますが、床柱や床框(とこがまち)、落とし掛けなどの高さや太さ、厚さなどを工夫すればさらに美しくて素敵なものができるに違いありません。(もしかしたら私だけの独断と偏見かもしれませんが…)
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【床の間廻(まわ)りの寸法や材料は慎重な選定をお奨めします】
①左上 床の間の天井高さは2.5m。高めに設定するのは、掛け軸の軸先に風鎮(ふうちん)(おもり)を付けることを考慮しているためです。
②右上 天井仕上げは杉中杢(スギなかもく)の練り付け合板を式目板張(しきめいたば)り(板と板の間に少し隙間を空ける仕上げ)としています。
③照明の光を拡散するために障子紙張り仕上げとしています。左上から黒字
(1)照明ボックス
(2)天井;リシン吹付け仕上げ
(3)さらし竹60mmφ
(4)スギ杢(杢目の杉板)を使用した落とし掛け
(5)さらし竹45mmφ
(6)腰壁:和紙仕上げ
(7)床框:磨き丸太
(8)壁:左官仕上げの京壁
④掛け軸用に無双四分一(むそうしぶいち)とよばれる細長い木材を取り付けています。
③階段の段板は中壁に彫りこんで納めます。