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【微気候をつくる庭木の大切さ〈植物を生かす②〉】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
彼岸蕎麦(ひがんそば)秋祭り 秋分 初侯 雷乃声を収む(かみなりのこえをおさむ)
彼岸蕎麦(ひがんそば)
秋の彼岸の行事食といえばおはぎだと思いますが、最近では「彼岸蕎麦(ひがんそば)」も広まっているそうです。
そういえば、法事などを行う葬祭場の周りには、お蕎麦屋さんが増えてきている気がします。
季節の変わり目となるお彼岸に、消化がよく胃腸に優しい麺を食べて体調を万全に整えようという食養生です。
その美味しさもさることながら、栄養バランスにすぐれ、動脈硬化や高血圧などの病気を予防する蕎麦は、スーパーフードとしても注目されています。
折しも蕎麦の生産量日本一を誇る北海道では、6月に撒いた蕎麦が収穫期を迎えています。
早いお店では「新蕎麦」や「秋新」の文字がお目見え。蕎麦好きが首を長くして待っていた香り高く味わい深い新蕎麦の季節の到来です。
・今日をたのしむ
【彼岸明け】
秋のお彼岸の最終日である今日は「彼岸明け」と呼ばれます。
【ワープロ記念日】
1978(昭和53)年の今日、日本初となるワードプロセッサー(ワープロ)を東芝が発表しました。
【八雲忌】
ギリシア生まれのイギリス人、ラフカディオ・ハーンは明治時代に英語や英文学の教師として来日。
やがて日本人女性と結婚し、「小泉八雲(こいずみやくも)」と名乗るように。『怪談』『心』など日本に関するエッセイや物語を多数発表しました。ちなみに私の一押しは『生き神(living god)』です。彼の命日にあたる今日は、小泉八雲記念館(島根県)の遺髪塔に祭壇を設け、供物を供えます。
・季節をたのしむ
【金木犀(キンモクセイ)】
小さな橙色の花が葉元に集まるキンモクセイの特徴は、やはりその香気。秋風に乗って漂う甘い香りではじめて開花に気づくことも。日本には雄株しかないため果実を見ることはできません。
【微気候をつくる庭木の大切さ〈植物を生かす②〉】
【植物を生かす】今回は第2回目「微気候をつくる庭木の大切さ〈植物を生かす②〉」となります。前回は【生かすにはその植物を知ることから〈植物を生かす①〉】でした。(お読みになりたい方は前回タイトル(青字)にリンクを張っておきますので、タップしてお読み下さい。)
https://heiwadai.jp/ryokka/緑化
前回のお浚(さら)いから始めさせていただきます。
それでは…よろしいでしょうか。
【植物を知る】
どんなものを植えても、緑化すればエコ(ecology)になると思いがちですが、植物の性質をよく知れなければ、まったく無駄になってしまうこともあります。植物は地球環境になくてはならないものです。
人間がいなくなっても、地球環境にはまったく影響しませんが…。
大気浄化機能。蒸散作用によって微気候をつくる。さまざまな生き物の住み家になる。その上、なぜか、自然環境にとっては、邪魔でしかない人間を守ってくれる、防風防災の役にも立ち、果実を付けるものは食の恵みまで与えてくれるのです。
※毛細血管現象でタオルが濡れます。その濡れたタオルを扇風機の風で乾かす際、気化熱で熱が奪われ、温度が下がります。理論上はそうなのですが、実際にはこの装置をつくる際にやたら暑くなってしまい、扇風機を強にして風を浴びるのが関の山でした。
【樹形、樹種を知る】
観るための庭園をつくる際の樹木を選ぶ基準と、日差しを和らげる目的や、強風などから住まいを守るために植える植物は、樹形も種類も選び方が違います。高生け垣は北側からの暴風壁や視線を遮る役目に適しています。
天蓋木は主に常緑樹を整形して作る場合が多いのですが、パラソルのように日陰をつくることができます。また、つる性の植物には、登はん型と下垂(かすい)型があります。緑のカーテン、樹木のパラソル、グリーンの屏風として、それらの植物を適材適所で使い分け、エコで快適な環境をつくることをお奨めします。
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①高池垣(たかいけがき)は風除け日陰づくりに適している。
②つる性下垂(かすい)型は緑のカーテンに適している。
③つる性登はん型は壁面緑化に最適。
④天蓋木は日傘のように日陰づくり
【庭木の大切さ】
一般的に環境が良い住宅地は必ず緑地率が高いはずです。世田谷区成城は高級住宅地で有名な場所ですが、ここで住まいの建て替えをやらせていただいたときには、今まで庭等に植わっていた庭木をすべて調べて、役所に提出し、建築後すべて戻さなければならないという緑地法が条例で定められていました。
緑は大気を浄化するなどの物理的な特性もさることながら、四季折々の季節感を味あわせてくれます。何が言いたいかというと、ようするに花々や果実を愉しむ心を満たしてくれるということです。
住まいの周囲に植える庭木も場所にあった特性の木を植えれば、たいへん環境も良くなりエコ(ECO)になることに違いありません。私たちの先人たちは、その地方の気候の特性に合せて家の周りに上手(うま)く植樹をしていました。
物理的なことは分からなくても、まるで、植物たちが家に住む人や生き物を守ってくれることを知っていたかのようです。強い日差しを遮(さえぎ)る木、冬の北風から守ってくれる防風、防雪林などが、まさにいい例だと思います。
【さまざまな樹木の植え分け】
①N北側には北風を防ぐ常緑の高生け垣が最適です。
②W西側には夏に西陽(にしび)を防いでくれる落葉、または常緑樹が適します。
③E東側には冬に朝陽が入る落葉樹が適しています。
④S南側には夏には日除けとなり、冬には光を採り入れる落葉樹が最適です。
そのほか、花を観賞するための木、シンボルツリー、プライバシーを守るための木、実を付けて収穫の喜びを与えてくれる果樹木などなどetc…。そうした観点から自分の家の庭の植栽を見直し、植え替えなどをしてみてはいかがでしょうか。
北側には北風を防いでくれる檜ーヒノキや檜葉ーヒバなどの背の高い常緑樹、南側には夏に木陰(こかげ)をつくり冬に葉を落として日差しを通す落葉樹を植えておくことをお奨めしま。
【微気候は庭木が創るものなのです】
①落葉樹は冬には葉を落として日当たりを良くしてくれます。
②庭木の位置と樹種は適材適所で植えることをお奨めします。