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ゆとりの住まいは階段の吹き抜け利用で【CASE3】
6 ゆとりの住まいは階段の吹き抜け利用で【CASE3】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
初候 綿柎開く(わたのはなしべひらく)
男はつらいよ
渥美清(あつみきよし)さんが主演する映画『男はつらいよ』は、「ひとりの俳優が演じたもっとも長い映画シリーズ」としてギネスブックに認定されています。
1969(昭和44)年の第1作にはじまり、1997(平成9)年までに特別編を含む49作品が公開されました。
まさに国民的人気を誇る映画シリーズですが、じつは今でもファンが拡大中。その多くはインターネット動画やBS放送で作品を知った20〜30代です。
たしかに主人公・寅さんの自由さや人情味あふれる人柄は、今の時代には新鮮で魅力的。聖地・東京都葛飾区柴又の「寅さん記念館」は、今日も多くの人で賑わいます。
そして、あたりまえのことなのですが、毎日オレたちがお世話になっている綿(めん)は、綿(わた)からつくられているんですね( ˶˙º̬˙˶ )୨⚑”
処暑に入って最初の七十二候の季節は、綿柎開く(わたのはなしべひらく)、です。綿の木に実った蒴果(さくか)が弾けて、中からほわほわとコットンボールが現れるころ。およそ八月二十三日から二十七日まで。
コットンボールは種を包んだ綿花のことで、種を取り去り綿毛だけにしたら綿打ちをします。それから綿をほぐし、糸車で糸にします。いまや生活に欠かせない綿ですが、広まったのは戦国時代で、庶民の暮らしに行き渡ったのは江戸のころでした。
ゆとりの住まいは階段の吹き抜け利用で【CASE3】
階段はもともと吹き抜けの気持ちよさを利用できる唯一の空間
昔流行った、リビングの2層(1階から2階までの空間)吹き抜け、玄関の吹き抜けは、最近では少なくなってきています。
なぜかというと、ひとつは寒いからに他ならないでしょう。もうひとつは家の中の床面積の使い方として「もったいない」と思う気持ちがあるからだと思います。リビングを2層の吹き抜けにした場合、床暖房などが必需品となり、太陽光を採り入れる気持ちの良さはあるものの、2層まで必要とせず1.5層くらいが丁度いいということもあります。
もちろん、高気密、高断熱の充実した家であれば、寒さのほうは解決しますし、遠赤外線床暖房であればなおのことだと思います。(参考→ おススメです!【遠赤外線床暖房】)
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階段は吹き抜けになりやすい
階段は家の吹き抜け的存在。上下階の空気の流れをつくり、家全体の換気にもなる。
そのため現在、家の中では、階段だけが吹き抜け的な存在となっています。家の上下を結ぶ階段は、自ずと吹き抜けと同じ機能を持っています。小さな住まいで効率の良い間取りの要求が多い今、階段は吹き抜けの気持ちよさを表現できる唯一のスペースといえるのかもしれません。
【空気の流れ道になる、吹き抜け階段】
また、吹き抜けとなる階段は、空気が流れる道として大いに活躍します。完全に吹き抜け部分がなくても上下の階で空気がつながっていて、窓があれば圧力差(重力換気)で自然に対流が起こるのです。
3階建てになるとさらに重力換気は効果的となります。下の階に比べて上の階は圧力が低くなるため、下の階から大気が入り、上の階の開口から自然と空気が抜けるようになっています。都心で庭が狭く、近隣との距離が極端に取れない環境をよく見かけますが、階段は優れた換気機能を併せもつ空間になってくれるのです。
【階段を収納として利用】
お施主さんからの要望や打ち合わせで必ず話に出ますが、「階段箱収納」の話題です。
古い町屋によくある、家具のような階段箱収納は見た目も魅力的です。階段を独立した家具のようなデザインにするだけでも、階段を昇るのが楽しくなってくるでしょう。ただし残念なことに、ほとんどの場合、計画段階で却下になってしまいます。まず家具工事が必要になるため、思ったよりも予算がかかってしまいます。さらに予算がかかる割りには、収納量はそれほど増えないという理由もあります。
そうであれば、とくに完璧な階段収納にしなくても良いのではないでしょうか?扉を1枚つけるだけで階段下は深くて広い収納として利用できます。そして単純な構造でありながら収納量も増えることは間違いありません。ただし、収納部分の天井の低さから決して快適な収納とは言い難いこともあります。
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あこがれの⁇階段収納
お洒落かもしれないが、思ったほどの収納量は望めない。
奥行きが深すぎると物が取り出しにくい。
単なる階段下収納だけど…
人が出入りきるような大きな収納として捉えたほうが、使いやすいケースが多い。
かいだんしゅうのうのばあいは扉だけのほうが引き出しよりも収納力は格段に高い。
【階段の壁は絶好の演出空間となる】
天窓を垂直壁の北側につける理由↓↓
さらに、外国の映画などにもよく出てきますが、階段の壁に積極的にみせる絵や写真などを飾り、ギャラリー空間として演出してみるのも有効利用に繋がります。あまり深く考えずに、ただ何気なく絵を観るには階段はこれ以上ない、持ってこいのアート空間です。
日常の行動内で、同じ絵に対し階段を昇りつつ下から見上げる感じと階段を降りつつ上から見下ろす感じとでは違った気分を味わえるものです。今度はどんな絵を設えようかなどと考えるのもゆとりが生まれ楽しくなると思います。
階段は昇降だけの空間ではありません!
階段の側壁は展示空間にもってこいの場所でもあります。トップライトがあり、光が入ればさらに空間の演出度も増します。
1天井空間が高いので光も広がる
2階段に付随する壁は、絵を飾るにはちょうどいいスペースとなる