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【主婦の居場所「私の部屋」はキッチンの近くにつくる】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
雨水(うすい)次候 【霞始めて靆く(かすみはじめてたなびく)】
小千谷の雪晒し(おじやのゆきさらし)
新潟県小千谷市でつくる小千谷縮(ちぢみ)は、江戸時代に生産するようになった麻織物です。
シワのような「シポ」が全面にあり、シャリッとした肌ざわりが特徴。製糸、染め、織りといったいった工程を丹念に手作業で行う、国の重要無形文化財です。
この時季、晴天の小千谷では縮(ちぢみ)を雪上に広げる風物詩、「雪晒し(ゆきさらし)」を行います。
これは、真白な雪で布地を漂白する先人の知恵。
陽光で雪の表面が解け水蒸気となり、空気中の酸素と結合、オゾンが発生します。
オゾンは天然の漂白成分。不純物をきれいにしてくれます。さらにその上糸目と色柄を際立たせてくれるのです。
古(いにしえ)の人々は、経験から、オゾンの使い方を知恵として利用していたのですね。まったくの自然から生み出された文化だと思います。
先人から学ぶことは、たくさんあって止どまるところがないですね。
・今日をたのしむ
【雪晒しいろいろ】
雪晒しは、いろいろな利用のされかたがあるんですよ。
昔の人はいろんなことを試したんでしょうね。
原料となるコウゾの皮をむき、雪に晒(さら)すことでより白い和紙をつくるのも、昔ながらの知恵です。新潟県では、雪に晒した塩漬け唐辛子でつくる発酵調味料「かんずり」も親しまれています。
・季節をたのしむ
【春の遊び りんご酵母づくり】
実験みたいな「りんご酵母」をつくってみたいと思いませんか?きめ細やかな泡と自然な甘さがくせになる天然のサイダーができます。
[りんご酵母サイダー]
- ①鍋に瓶と蓋を入れ、かぶるように水を入れます。中弱火で温め、沸騰したら3分加熱します。清潔な布巾にのせて自然乾燥させます。
- ②りんごを八つ切りにします。
- ③殺菌した瓶に入れ、上から水道水を注ぎ密閉します。りんごが水面から出ないようにします。
- ④日陰で3日ほど発酵させます。
※白くふわふわした浮遊物ができてしまったらカビです。
【フキノトウ】
フキノトウのほろ苦さと清涼感は、冬の寒さでのんびりしていた心身を目覚めさせてくれる春の味。刻んで味噌、みりん、砂糖と炒めたら、蕗(ふき)味噌のできあがりです。
【主婦の居場所「私の部屋」はキッチンの近くにつくる】
前回のお話は、【子ども室の収納アイデアで限られた空間を広く使う】
についてお伝えさせていただきました。(青字のタイトルをタップするとこのタイトルの記事に飛びます)よかったら読んでみて下さい。
今回は、【主婦の居場所「私の部屋」はキッチンの近くにつくる】というタイトルで、お話をさせていただきたいと思います。それでは始めさせていただきます。
【主婦である奥さまの部屋はキッチンの近くが最も効率的】
夫婦の寝室はあるけれど、私の部屋(個室)はありません。そんな奥さまの声を聞くことが本当に多い昨今です。子どもには子どもの部屋があり、夫には書斎や職場がある。リビングの他にも落ち着く場所を、みんな持っているのに、妻にはないということなんですね。
夫も子どもも出掛けている昼間は、ダイニングテープルで本を読んだり、書きものをすることができるのですが、、家族が帰ってきた途端、自分の居場所がなくなってしまう。このまま夫が定年になったら、自分はどこにいればいいのか……。
狭くてもいいから自分だけの部屋がほしいといいう、その願いは切実なものです。
リフォームの相談にみえたKさんもそんなひとりでした。住まいの中心は、テラスのあるリビングと、庭に臨(のぞ)むダイニングキッチンです。ですが、家族はダイニングで過ごすことが多く、せっかくの明るいリビングが孤立していました。
そこで、ダイニングとリビングを1つの空間にして、ダイニングだった場所を奥さまの部屋(個室)にすることにしました。
このプランであれば、「キッチン~妻の部屋~リビングダイニング」「玄関~洗面室~キッチン」と、キッチンを軸にして、ぐるりと回る回遊動線が可能となるうえに、動線も回遊式になって格段にラクになります。
私の思惑(おもわく)では、「太 主婦の居場所の近くにはには、水廻りが不可欠」だと思っています。奥さま方のお話を聞き取りしていると、家事をする場所から離れたところでは落ち着かないといいます。
ですから間違えてはいけないのは、『私の部屋』はあくまで「私の居場所」であるということです。「『私の部屋』は家事室ではない」のです。家事室やキッチンと一緒だと、『私の部屋』はあっという間に物置きになってしまいます。
「キッチンと一緒ではだめだけれど、キッチンの近くでないとダメなのです」ーこれが「私の部屋」の理想なのかもしれません。
こうして完成した部屋は4畳ほどの小空間です。キッチンの隣なので、鍋を火に掛けながら書きものもできるし、窓からは庭を眺めることもできるのです。「自分の部屋ができたことで、あちらこちらに分散していた本を全部まとめて置くことができ、パソコンも勉強も驚くほど捗(はかど)るようになりました。」と大喜びのKさんです。
このリフォームの数年後、社会福祉士の国家試験に見事合格されたという嬉しいびっくりもありました。
「自分の部屋を持つことで、気持ちがとても落ち着くようになりました。心が解放され、家族に対して優しくなれるような気がします」この仕事をさせていて、よく感じるのが誰にでも不可侵スペースが必要だということです。
自分の居場所があるのとないのとでは、主婦だけでなく誰でも心の平静が違ってくるのではないかと思います。不可侵空間がない状態があまり長く続いてしまうと心が破綻をきたしてしまうこともあると思っています。
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『リフォーム前』
『リフォーム後』
ダイニングのあった場所をおよそ4畳の『私の部屋』にしたKさん。キッチンに隣接しているほか、キッチンを通って洗面室や浴室と行き来するのも見違えるほど使い易くなりました。